血圧値 120/80/84 酸素飽和度 98% 体温 36.3℃ 体重 69.2キロ
この前「ファンタビ」のテーマのところで書いた、ニューヨークの「マンハッタン橋」の話題。
ジェイコブさんのパン屋のあるところ。
0600 起床 気分快 曇 【ホグワーツ城クロニクル】⑫ 『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』 ホグワーツ城の奇妙な既視感とパン屋さんの場所。 - にこたろう読書室の日乗
あそこからあの橋を渡ると、ブルックリンという街に入ります。
ドナルド・キーン先生の生まれた、ニューヨークのブルックリン地域。
東京なら江東区・江戸川区ていう感じかな、僕はNYには行ったことがないけど。
0530 起床 気分快 晴 東十条界隈巡行➀【見て、歩いて、よろこぶもの】東十条駅に向かいます。北区立中央図書館の赤レンガ倉庫を観ます。 - にこたろう読書室の日乗
下の空撮だと、右側ね。
世界の中心地であるマンハッタンに隣接し、倉庫・工場地帯としての役割を果たしてきたのがブルックリンです。
近年は物流機能が発達したことで倉庫や工場は撤退しましたが、一方で若者や個性的なアーティストが移り住むエリアとなっているらしい。
洗練されたショップやカフェが隣接し、イーストリバー越しに対岸のマンハッタンのビル群を望めます。
ニューヨークらしさを存分に感じられる新しい人気のスポットです。
ブルックリン。
ここはマンハッタンに憧れ、マンハッタンを夢見る場所、なのかな。
今、この本を、読んでいます。
『ブルックリン・フォリーズ』 (新潮文庫)
ポール・オースター (著), 柴田 元幸 (翻訳)
オースターは、この前『ガラスの街』を読みました。
0630 起床 気分快 雨 本を読んだ、という話題です今日は。酒と薔薇の日々の合間の快楽。『ガラスの街』について。付録:鮮烈なエロ - にこたろう読書室の日乗
オースターの書く小説。
なんていうか、良質の落語を聴いているような感触。
ユーモア、センス、ウィット。
人に寄り添う優しさ。
人に好かれるあたたかさ。
パン屋のジェイコブさん、みたいな感じかな。
ブルックリンに死に場所を求めて流れてきたという「私」が、音信不通だった、唯一と言っていい気の合う親族である甥とバッタリ出会う。
やがて物語には、甥、その妹、その娘、その母である主人公の妹、甥の雇い主、雇い主の家族、雇い主のもと恋人、甥の見惚れた人、その母と、どんどんいろいろな人間が繋がってぞろぞろ出てくる。
それぞれユニークで、一所懸命に足掻いた末に思いがけない結末をよびこんだり、気負わずに踏み込んだ先にラッキーが転がっていたり。
どん底から始まる物語が終いには多くの結びつきを作り、人生を好転させて行く。
そう、明るいんですよ、お話が。人生が。
「folly」とは、愚かなこと、愚劣、愚行という意味。
蔑むのではなく、むしろ愛おしい感情。
「おまえなー」みたいな。
みんなの「愚かものエピソード」をファイルに貯め込んでいきながら、繋がったり広がったり深まったりする人間模様。
それを柔らかく包み受け入れてくれる「ブルックリン」という街。
行きたくなるなあ。
マンハッタン橋を越えて。
ジェイコブの店で買ったパンを齧りながら。
人生の、穏やかな、明るい場所へ。
パンもとても、おいしそう。
クイニーも、可愛いね。