血圧値 126/77/79 酸素飽和度 99% 体温 36.1℃ 体重 66.4キロ 運勢 The Sun
今年は「台風」が多くて、不安なお天気ですね。
先日、ウェザーニュースを見ていて、「藤原の効果」という言葉が目に入りました。
初めて聞いた言葉です。
二つの台風が、同時に日本の近くへやってくる。
お互いにぶつかりそうな位置まで近づいて、進路が妙な具合に変わっていく。
そういうことがあります。
二つ以上の台風などの熱帯低気圧がかなり接近すると、互いの風の場が影響し合って、通常とは違う進路や動きを示すことがあります。
この相互作用が「藤原の効果」です。
進路予測を難しくする要因の一つでもあります。
一般には、二つの熱帯低気圧が1,000km程度以内に接近すると、こうした相互作用が問題になることがある、と説明されています。
典型的には、二つの低気圧が互いの周囲を回るような運動を見せることもある。
つまり、「台風が二つある」だけではない。
二つの巨大な渦が、お互いに影響しながら動いてしまうのです。
面白いですね。
そして、この現象に「藤原」という名前が付いている。
藤原咲平。

1921年、当時の中央気象台長だった藤原咲平が、こうした低気圧同士の相互作用について研究したことが、この名称の由来です。
ところで、この藤原咲平という人。
じつは小説家・新田次郎の伯父にあたります。
新田次郎は、本名を藤原寛人といいます。
藤原咲平は「お天気博士」の愛称でも知られた気象学者で、寺田寅彦に師事し、第四代中央気象台長・岡田武松の愛弟子、そして後継者でした。
1941年7月には、岡田武松の後を継いで第五代中央気象台長になります。
気象学だけではありません。
仏教思想と物理学の関係や、気象学から見た社会についても、独創的な論文や随筆を書いていたそうです。
なんとも面白い人です。

台風というのは、大きな雲の渦巻きです。
川の流れを見ても、ところどころに渦ができます。
藤原先生が研究したのは、いわば、「渦と渦が近づいたら、どうなるのか」ということだったわけです。
一つの渦だけを見ていれば予測できる。
ところが、もう一つの渦が近づいてくると、話がややこしくなる。
お互いに影響を及ぼし合うからです。
しかも、この「藤原の効果」。
単純に、「近づいたらこうなる」というものではありません。
互いに引き寄せ合うような動きをしたり、逆に離れていったり、一方が他方の周囲を回ったり、場合によっては一方がもう一方に取り込まれるようなこともある。
気象予報士泣かせの現象です。

ところで、この藤原咲平の人生を眺めていると、もう一つ興味深いことがあります。
気象学と戦争との関係です。
1936年12月には海軍省気象事務嘱託。
1938年7月には陸軍気象部気象業務嘱託。
そして1941年7月、中央気象台長。
まさに太平洋戦争へ向かっていく時代です。
「明日の天気」が、軍事上の重要情報にもなっていった時代でした。
1941年11月24日には、海軍から太平洋北西部海域の詳細な天気予報について依頼があり、予報会議への出席を要請されたといいます。
そして12月7日から8日にかけて、藤原咲平を中心に、中央気象台の大谷予報課長、海軍の気象担当将校らが集まり、ハワイ沖やフィリピン近海の海上天気予報について協議した。
もちろん、藤原咲平が日米開戦を知ったのは、真珠湾攻撃の後のことでした。
「天気を読む」ということが、戦争の行方にも関わってしまう。
そう考えると、気象学というものも、なかなか凄い世界です。
☆
さて。
そんなことを調べていたら、ふと思い出したのが、まもなく公開される『ゴジラ-0.0』です。
こちらには、天才気象予報官が登場します。
しかも「まさみん」。
長澤まさみさんです。
気象台から大型災害対策事務局に出向しているという設定。
襲い来る絶望に対して、知力を尽くして抗う人物として描かれるようです。

最新予告でも、
「来ます」
という、なかなかカッコいいセリフがあります。
何が来るのか。
うすうすお分かりのかたも多いでしょう。
長澤まさみさんが「ゴジラ」に参加するのは、じつに『ゴジラ FINAL WARS』(2004)以来。
22年ぶりということになります。
その前年の『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』にも出演していて、そのときの「まさみん」は何だったか。

これです。
「小美人」。

変な呼び方ですが、インファント島の守護神・モスラと意思疎通を行う、二人組の女性です。
東宝のプロデューサーだった田中友幸が、女性にも見てもらえる怪獣映画を作ろうと考え、南の島の守護神であるモスラと、それに仕える「小美人」という設定を考えた。
当初は、なんと「巨人」にする案もあったという。
「大美人」か!

そして、栄えある初代小美人。
こちらはザ・ピーナッツのお二人。
モスラといえば、この二人ですね。
それにしても。
「小美人」だったまさみんが、今度は天才気象予報官としてゴジラを迎え撃つ。
なかなか感慨深いものがあります。
☆
そして、まさみんの戦う相手、ゴジラ。
もちろん架空の怪獣です。
しかし、ゴジラは単なる怪獣ではありません。
巨大な災厄の象徴でもあります。
人間の力ではどうにもならない巨大なものが突然現れ、こちらへ向かってくる。
そう考えると、昨今の台風や豪雨、水害などの恐ろしさと、どこか重なって見えてきます。
「来ます」。
天才予報官がそう告げる。
台風も、豪雨も、津波も、そして怪獣も。
人間から見れば、「来るもの」なのです。
藤原咲平は、二つの巨大な「渦」が互いに影響し合うことを研究しました。
そして現代の「まさみん」は、巨大な災厄が来ることを予測して、それに立ち向かう。
なんだか、うまくつながってしまいました。
「藤原の効果」からゴジラまで。
気象の話を書いていたはずなのですが。
なんか話が脱線してきましたので、この辺で終わります。



















































