にこたろう読書室の日乗

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0630 起床 気分快 晴 僕の分霊箱を開けてみる話⑤ 「ブラームス 交響曲第4番ホ短調」 ワルター/コロンビア交響楽団。

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いわゆる、「ブラ4」です。

 

ブラームスっていうのは、中学生が聴くにはちょっと年寄りっぽい(大人っぽい?)というか、マニアックというか、中二病らしいというか、そんな感じがあって、ベートーヴェンドボルザークの次くらいにはまりました。

 

厳密に言えば、「第1番」の交響曲、だったと思う、最初は。

ベートーベンの「9番」に次ぐ「第10」だ、とか言われたやつ。

 

でも実際は、まるで系統の違う、別次元の世界でしたけどね。

 

きっかけは、ミュンシュ/パリ管弦楽団を聴いたのが始まりで、これは分霊箱級なんだけど、今僕はこの音源を持ってないのです。(LP盤は全部整理してしまったから)

これはいずれ、触れましょう。

 

交響曲第1番 ミュンシュ&パリ管弦楽団

 

なので、これまた外せない「4番」を採用することにします。

 

とりあえずこれで決まり。

 

 

ブラームス
1. 交響曲第4番ホ短調 Op.98
2. ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a

 コロンビア交響楽団
 ブルーノ・ワルター(指揮)

 録音時期:1959年2月2,4,6,12,14日(1)、1960年1月8日(2)
 録音場所:カリフォルニア州ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)

 

★ブラームス 交響曲 第4番 ホ短調 作品98 ワルター/コロンビア響 Brahms Symphony No. 4 E-minor - YouTube

 

中3のころハマって、高校生になったときの新クラスの自己紹介で、これの話したのを今でも覚えてる。

変なこどもだよねえ。「趣味」がワルターのブラ4ですよ!

 

この交響曲は、ブラームスがはっきりとバッハを理想としたことが明確に表わされている、とよく言われます。

ため息をつくようなヴァイオリンのメロディに始まり、徐々に壮麗さを増していく第1楽章。第2楽章では、古い旋法であるフリギア旋法を用い、終楽章ではバロック時代に多用された変奏曲であるシャコンヌパッサカリアという呼び方のほうが普通かな)を取り入れるなど、古典以前のさらに古い時代の手法を活用しているのが特徴。

ワーグナーは、ブラームスについて「古い器に新しい生命を注ぐことができる人」と評した。

 

ただ、古臭いだけで無く、妙に妖艶で、しかもくっきりとした構造を持つ、堅固な建築物みたいな偉容。

 

喪服の美熟女みたいな色気を感じさせる、晩年の名作。

枯れているんだけど、なまめかしい。

「ようやくブラームスが分かるようになったのね」

 

ワルターはそれを、暖かいまなざしで包むように演奏しています。

まあ、中坊は普通は聴かないね、これは。

 

大人になってからは、この曲のいろいろな演奏を聴いたのですが、とくに外せないのはこれ。

 

 

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カルロス・クライバー(指揮) 1980年3月、ウィーン

 

世間の評判は、こんな感じ。

 

登場するだけで事件になった伝説的なカリスマ指揮者カルロス・クライバーが、ウィーン・フィルと残した貴重な遺産。当時49歳のクライバーは、躍動的なタクトで名門ウィーン・フィルからこの上なく芳醇な響きを引き出し、精妙・精緻で生命力に溢れた演奏を展開しています。ブラームスの演奏史に燦然と輝く不滅の名盤です。

 

クライバーを聴いて、この曲がはじめて好きになった(曲の価値を理解した)、という人多数。

これは何なんだろう。

 

感情に流されない、理知的な、ある意味強引な表現なんだけど、それがかえってブラームスの本質をつかんでいる、ということなのでしょうか。

ワルターとは対極にある演奏。

 

ブラームスクライバーについては、また別の機会に。