血圧値 119/81/75 酸素飽和度 98% 体温 36.3℃ 体重 67.3キロ
曇ですが雨模様。
昼過ぎにかけて冷たい雨、東京都心などで最高気温10℃、1月上旬並みの寒さ、という予報です。
夕方以降は上がるみたい。
天気図は冬型ですね。
まあ、暑いよりは良いのか。
☆
さて、最近練習中のソムリエ・ナイフは、必要なくなる日が来るのか?
そんな懸念が、じつはあります。
将来、天然のコルクがなくなるかもしれない、からです。
そもそも、どんなものでも資源は、有限です。
ワインの栓の材料も、またしかり。
コルクは希少なマテリアルなのです。
事情はこんな感じ。
全世界でのワイン用コルク生産量は年間約30万トン。
近年、シンセティック・コルク(合成樹脂などで作られた人工コルク)やスクリューキャップが増えてきたとはいえ、いまだに全世界のワインの65%(ちなみにフランスワインに限れば73%)はコルクが使われているそうです。
さて、原料のコルクができるまで、ですが。
なんと「コルクの木」というものがある。
本名は「コルクガシ」。
Wiki の記載はこんな感じ。
コルクガシ(学名:Quercus suber)は、ブナ科コナラ属の常緑高木である。
その樹皮はコルクとして様々な用途に使用される。
樹高は18mに、直径は1.5mに達し、幹の外側に厚いコルク層を形成する。
樹齢20年に達したコルクガシのコルク層を剥ぎ取っても生育は阻害されず、再び厚いコルク層が再生される。
樹齢約25年になったコルクガシから初めてコルク層が剥ぎ取られる。この時初めて剥ぎ取られたコルク層を「バージンコルク」と呼ぶ。
2度目の収穫はその9年から12年後であり、その後150年から250年ほどに渡ってコルク層を収穫することができる。
1本のコルクガシからは、その生涯に約12回の収穫が行われる。
面白いですね。
コルクの収穫!
断トツで、ポルトガルとスペイン。
地中海性気候でさらに乾燥したエリア。
土壌が肥沃な場所だと成長が早い分、厚みが出やすいのですが逆に脆くなってしまって良くないそうで、山間の貧しい土壌の方が生育は遅く、その分高品質のコルクができるそうです。
なんとなく、もの悲しい条件!
生産地を地図に表すとこんな感じ。
フランスでも海沿いではできるのですね!
この「コルク層」の用途は、いろいろ。
なんといっても、ワインボトルの栓。
この用途に用いられるコルクはコルクの全体消費量の約15%にすぎないが、収入金額においては66%を占めている。
その他には断熱材、床材、防音材、手工芸品、バドミントンのシャトルコック、釣り竿のグリップなどにも使用される。
なるほどね、フライロッドって、ほとんどコルクのグリップだ。それ以外見たことないな。
あと、面白いのはコルクガシの畑(森)には家畜が放牧され、そのドングリはイベリコ豚の餌となること。
イベリコ豚は、主にスペイン南西部において飼育され、その最上級ランクのベジョータは、スペイン国内でもその生産量は数パーセントしか作れない世界的に希少なイベリコ豚です。
その条件が、デエサ(どんぐりの森)で放牧され、どんぐり、草、その他の自然の産物のみを食べ、その後他の補完飼料を与えられることなく屠畜されたイベリコ豚であること。
これがそのドングリ。
コルクの木は、いろいろなものを産み出しているのですね。
なので、乱獲は致命傷。
嗜好品の高級ワインの栓、という用途は、しだいに肩身が狭くなるでしょう。
☆
昔から天然コルクにあるメリットとして考えられていることの一つに、「ワインが呼吸することが出来る」というのがあります。
なぜなら、天然コルクは無数の気泡状の空洞があり、液体は漏れないが気体はごく微量に透過する、と思われてきたのです。
それが熟成に良い効果を与えている、と。
しかしこれは迷信。
ワインの製造と保存に大敵なのが酸素とか菌類なのだから、外気と触れ合って良いわけない。
ていうことは、天然コルクだろうがなかろうが、ワインの栓は、機密性保持でなければなりません。
だから、材質は問わないのね。