血圧値 124/85/68 酸素飽和度 98% 体温 36.4℃ 体重 67.6キロ
吞み喰いの話題ばかりでは、なんでしょうから。
たまにはアマプラで映画を観ますよ。
どうせなら、ジェットコースター・ミステリが良いなあ。
まばたきも身動きもできないやつ。
そんなのあるのか。
ということで、まずこの1本。
ネタバレできない(この場合はもうバレバレ)ので、さくっとご紹介。
ミステリの女王といえば、アガサ・クリスティー。
言わずと知れた名探偵ポワロ・シリーズの実写化から。
『ナイル殺人事件』(2022年)
世界一の名探偵ポアロが挑む、エジプトの神秘・ナイル川をめぐる極上のミステリー・クルーズ。
大富豪の美しき娘の新婚旅行中に、クルーズ船内ので起きた連続殺人事件。容疑者は、結婚を祝うために集まった乗客全員…。
豪華客船という密室で、誰が何のために殺したのか?
そして、ポアロの人生を大きく変えた「衝撃の真相」とは?
いまどき、クリスティを観て、だいどんでんとかネタバレなんていう感覚はないでしょうが。(たまに原作と違う犯人、なんていう小技を使う人もいるけど)
古典も古典、源氏物語級の既視感。
原題は、Death on the Nile 『ナイルに死す』だけど、『オリエント急行殺人事件』とゴロを合わせてこのように訳しています。
わざわざ観ようという人の興味は、ポワロ像の出来不出来とか、映像の美しさとか、演技力に感心したいとか、そっちに行きますね。
あと、なぜ今、リメイクするかとか。
ウィキペディア(Wikipedia)は完全にネタバレを書いてるけど、とくに怒る人もいないんだろうなあ。
僕もクリスティは子どものころから全作品を読んできたし、グラナダ版のデビッド・スーシェ・ポワロも当然全巻観てきました。
やはり、今ポワロをやるには、どうしてもスーシェの幻影が立ちはだかる。
ケネス・ブラナーは相当に拘って、3回もポワロに取り組んだんだろうなあ。
自演で、自監督ですからね。
ポワロには全然見えないんだけど、なかなか颯爽としていて良い感じ。
僕は意外と気に入ってます。
こちらが「本物」!
真正面から行っては、勝てないでしょう。
ケネス・ブラナー版ポワロは、可愛らしさの中に偏屈さを忍ばせたスーシェとは異なり、生真面目さから滲み出るユーモアが特徴、かな。
オールセット、オールCGの「劇場」感は、1930年代のナイル川クルーズをなかなか良い雰囲気で表現しているし。
カルナック号は、全長約72メートル、幅約14.6メートル、高さ約12.8メートル、総重量225トンという圧巻のスケールで実際に撮影用セットとして建造されました。
撮影が始まる1年以上も前から鉄骨の製作が始まり、完成には約7カ月の期間をかけて、細部に至るまでこだわっています。
予算の関係があったらしいけど、シェークスピア俳優でもあるブラナーとしてはそういう制約もまた、やる気が出る舞台背景だったのかも。
ほぼ、原作に忠実なのですが、オープニングになぜか第一次世界大戦中の、若かりし頃のポワロのオリジナルな挿話が描かれています。
なぜあのトラウマを描いたのか。
シェークスピア劇の深淵が、深い闇を覗かせているのかな。
知らんけど。
ここのところが、ちょっとした「だいどんでん」でした。