にこたろう読書室の日乗

死なないうちは生きている。手のひらは太陽に!

0600 起床 気分快 曇 わあ、匠くん勝った! 難解な、そして奥の深い将棋。大接戦。藤井さんの将棋は徐々に変化しているのかな。

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将棋の第9期叡王戦五番勝負第2局が20日、石川県加賀市「アパリゾート佳水郷」で指され、後手の藤井聡太叡王竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖との八冠=が挑戦者の伊藤匠七段に敗れた。

 

藤井聡太八冠、タイトル戦での連勝ストップ 「叡王戦」五番勝負 第2局 伊藤匠七段が勝利 | TBS NEWS DIG

 

八冠制覇後のタイトル戦では初黒星。タイトル戦での連勝記録は16でストップし、大山康晴十五世名人が持つ歴代最多記録17には届かなかった。

 

日本一たのしい将棋ライブ4】藤井聡太叡王(八冠) vs 伊藤匠七段「第9期叡王戦五番勝負第2局」with 羽生善治FANS - YouTube

叡王戦】藤井聡太叡王、北陸新幹線で石川県加賀市入り タイトル戦17連勝かけ伊藤匠七段と対戦 - 社会 : 日刊スポーツ

 

まあ、数字はべつに良いでしょう。

 

今年度のテーマを「これまであまり指していない形も指すこと」とする王者・藤井が新戦法を繰り出した本局。

 

公式戦438局目にして初めて「3三金型早繰り銀」を選択。

 

33金型早繰り銀(1) | とある将棋好きの戯言

 

ふつうは3三銀のところを金で受ける、やや変則的な戦法。

後手は1手得をしており実質的には先手です。その代償として金が悪型になっているのですが、この3三金が早繰り銀の急戦と相性が良いと言うのがこの戦型の肝。

ちょっと民間療法的な、新しい戦法なのですが、藤井さんが採用したとあっては、俄然注目を浴びますね。

しかも、互角の戦いだったし。

後手で互角以上なら、大成功。

 

 

先手・後手がほぼ同型で進行する相居飛車という戦型は、将棋のもっとも原初的な作戦で、同時に最先端でもある、という現在一番奥の深いスタイルです。

その第一人者である藤井さんの独壇場で、現状だれもこれを打ち破れないところが、将棋界最大の課題なわけです。

 

この相居飛車戦法は、先手有利の可能性が高く、後手が黙って追従すればたぶん不利。

なので、後手側がどう打開するか、が問題の焦点。

 

「後手なのに積極的に勝てる作戦」というのはむつかしいので、とりあえず千日手指し直しで先後入れ替えを目指すのですが、匠くんが開発して2023年度将棋大賞の升田幸三賞に選ばれた「入玉持将棋定跡=短手数持将棋」というあっと驚く作戦は斬新。

 

 

入玉、というのはこんな感じになっちゃう場合。

入玉とは王の駒が相手の陣地に入ることを言います。
詰ませることがたいへん困難になるため、状況により次のようなルールがあります。

 

持将棋で引き分ける

②宣言法で勝つ

 

普通は泥沼の凄い長手数の将棋になるのですが、匠くんの作戦は、序盤からの構想で、短手数で持将棋を目指すという新発想。そうか、その手があったか、みたいな感じ。作戦というより、ニュアンス、みたいなものかな。

 

今回のシリーズでも見られるのでしょうか。

次は後手だしね。

 

そして、とくに「角換わり型」という派生型で絶対的勝率を誇る藤井さんが、その問題の後手番を持った時の指し方が、注目の的。

藤井さん自身にこの答えを教えてもらうチャンス、というわけで全棋士注目、なんか情けないけど、そういうことになって来てます。

 

今回の答案は、「3三金型早繰り銀」。

藤井さんも、後手番居飛車戦法に、いろいろ新しいスタイルを模索しているのです。

 

結果は大接戦で藤井さんが負けましたが、例の「負けて強くなる」体質。

これで匠くん、ついに連敗していた藤井さんに1勝を返して、このカードも1勝1敗、今後に期待と興味が尽きません。