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北区中央図書館から南に数分歩くと、広大な公園の一角に、突如白亜の建物が見えてきます。
この公園(東京都北区立中央公園)の付近一帯は、明治時代から戦前にかけては東京第一陸軍造兵廠があり、陸軍で使われる銃弾などの兵器を製造していた軍用地でした。
「中央公園文化センター」=「旧東京第一陸軍造兵廠本部」
そしてこの白亜の建物は、戦前の陸軍東京第一造兵廠(兵器工場)の本部として、昭和5年(1930年)に建てられたものです。
戦後、造兵廠の一部は米軍に接収され、この建物も米軍施設として使用されてきましたが、昭和46年、区をあげての返還運動と多くの人々の努力が実り、日本に返還されました。
こうして昭和56年、半世紀にわたり戦争と平和を見つめ続けてきた建物は、文化センターとして生まれ変わりました。
現在では生涯学習の場として各種ホールや会議室・研修室などが入った施設となっています。
米軍接収後はもとの茶色から白色に塗装され、その特徴ある外観から、ドラマや映画のロケなどにもしばしば利用されているそうです。
昭和22年7月の米軍撮影写真。
本部庁舎と指示されているのが「旧東京第一陸軍造兵廠本部」です。
左の縦線が今の埼京線。最盛期には煉瓦造の建物が50棟以上あったことが確認されていますが、自衛隊に移管された時には22棟。その後、逐次解体された結果、旧275号棟が中央図書館として活用されているのみです。
平成25年2月の写真です。
中央の大きな建物が規則正しく並んでいるあたりが十条駐屯地。
駐屯地の左に隣接して東京成徳大学、その左に区立十条冨士見中と都立王子特別支援学校。
駐屯地の下の緑は北区立中央公園です。
データはこちらのサイトがとても詳しく、参考になります。
外観はアール・デコ風(アールデコは第一次世界大戦前後から始まり、1925年に開催されたパリ万博で花開いた時代の文化・芸術)で、外壁のパラペット(手すり壁)周りにはロンバルディアバンド(これはロマネスク風、ホグワーツ城にも見られる様式)という西洋建築の装飾が施され、それがアクセントになっています。
つまり、けっこうお洒落。
近くの大学の女子大生たちが、ダンス部の練習をしています。
敷地内には皇后陛下行啓記念碑がある。
どちらの「皇后さま」かな。
後書を確かめなかったけど、普通に考えれば香淳皇后ですね。
調べたところ、裏側にはこう書いてあるそうです。
皇后陛下行啓記念
東京第一陸軍造兵廠長 杉浦辰雄 謹書
杉浦辰雄中将(陸士25期)
昭和12年(1937)に、東京工廠火具製造所長
昭和14年(1939)に、東京工廠長
昭和15年(1940)に、東京第一陸軍造兵廠長
そうなると1943年(昭和18年)5月19日の皇后の東京市内視察の時かなあ。
未確認ですが。
建物の中に入って、一通り見ましたが、区内のさまざまなサークル、グループの学習、文化活動の場として、普通に機能していました。
あと、この建物のもう一つの顔は、ドラマや映画で色々な施設に見立てて撮影で使われている、ということです。
2016年公開の東宝映画『ちはやふる-下の句-』では広瀬すずさん演じる綾瀬千早がかるた稽古に行っていた「明慶大学」として登場していました。
2009年放送の日本テレビドラマ『LOVE GAME』では遠藤真紀が離婚届を提出しに行った世田谷区役所として登場し、2008年放送の日本テレビドラマ『斉藤さん』でも小鳩市役所として登場していました。
さらに2006年にはTBSドラマ『クロサギ』で財団法人環境情報調査センターとして登場し、2005年のTBSドラマ『赤い運命』では病院として登場していました。また違う設定では2005年のTBSドラマ『赤い疑惑』では高校として、同年放送のTBSドラマ『Mの悲劇』では裁判所として、2004年のフジテレビドラマ『人間の証明』では警察署として登場していました。
PicaPicaに寄ってお昼を食べたんだけど、それはまた別稿で。