にこたろう読書室の日乗

死なないうちは生きている。手のひらは太陽に!

0600 起床 気分快 曇 『偏奇館閨中写影』という本を買いに逗子まで行ってきたよ。お暇人の買い物小旅行。

血圧値 114/71/94 酸素飽和度 98% 体温 36.3℃ 体重 69.8キロ

 

今朝は、室温が28℃、湿度が64%もあります!

これでは、熱中症が各地で起こるはずですね。

 

外は雨、しかも、これから大雨の予想。

 

雨雲レーダー(予報)

 

さて。

昨日のことですが、古い本を買いました。

 

 

「偏奇館」。

変な名前ですが、永井荷風が、空襲で焼けるまで住んでいた、麻布の家の名前です。

 

庚申の年孟夏、居を麻布に移す。ペンキ塗の二階家なり。因って偏奇館と名づく。

「偏奇館漫録」 永井荷風

 

「偏屈爺の家」という意味じゃ、ないのか!

 

『偏奇館閨中写影』

著者 亀山巌

出版社 有光書房

発行 昭和45年

 

愛知県工業学校を卒業後、中日新聞を経て名古屋タイムズ社の社長に就き、新聞社生活の傍ら、詩人、随筆家、装本画家など幾多の肩書きのもと幅広く活躍した亀山巌

 

初版の帯にはこんなことが書いてあったらしい(僕の本には帯は欠落してます。)

 

 

生涯、あの膨大な日記に「日乗」を記録し続けた荷風は、カメラマニアでもありました。

それこそなんでも撮ったけど、当然こういう「御趣味」もね。

そこに注目して、こんなお洒落で詳細な研究をしちゃう亀山巌という人も、また物好きですねえ。

新聞社の社長さんなのに。

 

この箱と表紙に描かれているカメラは、「ローライフレックス」という2眼レフカメラですね。

僕も持ってたけど。懐かしい。

 

本のディティールは、こんな感じ。

さすがに凝った、私家版風の装丁デザイン。

紙の本は、良いですね。

 

 

永井荷風の理系的趣味と庭園への偏愛に関する別の本を読んでいたら、この『偏奇館閨中写影』のことが触れられていて、俄然、読みたくなったのです。

 

普通、こういう本はおいそれと探せないけど、最近は良い時代になったもので、瞬時に「検索」できてしまいます。

各地の古本屋さんの目録に、10件くらいヒットして、あとは通販で発注すれば簡単ですが、今回は歩いて買いに行こうかな、と思いました。

 

このお店が、なんとなく気になったので。(一番安かったし!)

 

古本イサド ととら堂は、JR逗子駅近くにある古本屋です。
2012年4月、JR逗子駅前商店街のほど近くに開店しました。

絵本や雑誌、はたまた旅や文学など、様々な本を取り揃えています。

お子様・主婦の方から、本好きの方まで、本を読み、本を見て、本で遊べるお店です。

民家を改装し、少しの椅子を設けました。

時間を忘れてゆっくりと宝探しをお楽しみください。

 

店舗名    古本イサド ととら堂
住所    逗子市逗子5-3-39
営業時間    11時~21時 月曜定休
URL    https://t.totorado.com/#books
電話    046-876-8606

 

「イサド」って何ですか?ってよく聞かれます。
宮沢賢治の「やまなし」って話に出てくる架空の地名です。」

カニの親子のお話でお父さんカニが「もう寝ろ寝ろ、明日イサドへ連れて行かんぞ」と言います。
何なのかはわからないけれど、何となく楽しそうな場所だと思いました。
それが「イサド」をつけた由来です。

 

そんなわけで、一冊の古本を買いに、逗子まで来ました。

学芸大学駅から東横線で横浜に出て、京急に乗り継いで、「逗子・葉山駅」へ。

 

写真

 

JRと京急のふたつの駅が向き合っているような「逗子」界隈。

そういえば前に来たときはここは「新逗子駅」だったなあ。

2019年に京急の都合で改名されたとき、いろいろ賛否があったそうで。

ここは住所的には「葉山」とはまったくかすっていないからですね。

まあ、「新逗子」というそっけない名前よりはいいかな、と思いますが。

葉山への玄関口、的なイメージで、逗子の人からしたら、ちょっとおもしろくないのかも。

 

いろいろ思い出のある場所なのですが、その辺はまた今度、ゆっくり訪れた時に。

 

目抜き通りをしばらく行くと、商店街からちょっと路地を入ったところに、普通の民家をリノベした感じの本屋さんが出現。

 

 

一歩お店の中に足を踏み入れた途端、なんとも不思議な既視感。

ここを僕は、知っているぞ!

来たことなんかないのに。

 

『偏奇館閨中写影』、本の森の中から、無事に発見。

 

驚きとこだわりの品ぞろえ、マニアックで奥が深い店主さんの選択眼に、脱帽。

 

思わず、あと2冊買っちゃいました。

 

 

僕的に見て、1冊も無駄な本、興味の持てない本がない。

また、なんとも奇妙な既視感。

なんだろうこれは。

 

「よくこれだけ面白い本を集めましたね。僕の地元にもよく似た感じの本屋さんがあったんだけど、建物取り壊しでなくなっちゃたんですよ。」

 

「流浪堂ですね。私はあそこで立ち上げの時から働いていて、独立してこのととら堂を始めました。この辺りの出身です。」

 

超、びっくり。

コンセプトが同じだもの。

 

在りし日の、「流浪堂」。

似ています。

 

流浪堂 るろうどう

学芸大学『古本遊戯 流浪堂』。身内でも友人でもない。なのに心の拠り所になる信頼の古書店|さんたつ by 散歩の達人

 

流浪堂(るろうどう) 訪れるだけで賢くなれる魅惑の古本屋【東京の本屋】 | booklife(ブックライフ)

 

なにかに引き寄せられたようなこの買い物小旅行の遅い御昼を、逗子駅前の居酒屋食堂で!

 

4代続く、老舗居酒屋。
地元のお客さんで賑やか。

 

 

中ジョッキが、すごく大きい😃

 

三浦漁港のマグロです。美味しい。

 

海のマリネ・サラダ。

 

茄子焼きね。

 

このあと、恵比寿に戻るのですが、今日の記事はこれでおしまい。