血圧値 １２３／８６／７４ 酸素飽和度 ９８％ 体温 ３６．４℃ 体重 ６９．０キロ
詳細は、まだ不明な点がありますが。
６月１４日朝に岐阜市内にある陸上自衛隊「日野基本射撃場」で発生した１８歳の自衛官候補生の男による発砲殺人事件。
菊松安親１曹（52）が胸に２発、八代航佑３曹（25）が脇腹に１発被弾して死亡し、原悠介３曹が太ももを撃たれ重傷を負った。未だ動機など不透明な部分があるが、発生から３日が経過し、悲惨な事件の詳細が徐々に明らかになってきた。防衛省関係者が明かす。
「容疑者は、事件発生当時、次に射撃するグループの一員として待機場所にいました。射座についてからやるはずの弾倉の装填を始め『動くな』と叫びました。いち早く制止しようとした八代３曹が最初に撃たれました。そして、男は的とは真逆の後方に進み、菊松１曹に向かって発砲。さらにこれを制止しようとした原３曹にも発砲し、再び菊松１曹に発砲しました。教育隊長らが男を取り押さえましたが、なおも男は数発発砲したようです。弾倉を取り外されても、それを拾って再び撃とうとするなど狂気じみた犯行でした」
これだけ凶悪な殺害事件であっても、犯人の氏名等が明らかになっていないのは、１８歳という未成年者だからです。
逆に言うと、そのような未成年者に対して、日本国は銃による射撃訓練という、武器を扱った殺人訓練を普通に行っている、ということです。
これは、現行法的には問題はないのでしょう。
しかしながら、この訓練の目的は、鹿とか鴨を撃つ練習ではなくて、明らかに敵兵という人間を殺傷することを目的とした訓練です。それを未成年に対しても普通にさせている、ということの問題点が浮上してきているのです。
実弾による殺人練習、しかも未成年対象、あげくの果てにこの事件。
当局としては、頭の痛い状況です。
いままで、こういうことが起きなかったから、安心していたのかも。
犯人が上官や同僚を殺した動機その他は、いろいろあるでしょう。
ただ、その背景にあるものが、前回も触れたような、「そもそも人は人を殺すことができるのか」という命題に関わるものである、ということを考えておく必要があります。
この問題が、制度としての軍隊（自衛隊という名称であっても）は、職能的に人を殺すためのシステムである、という前提の容認の上にあることを忘れたり、見ないふりをしてはいけません。
現時点では、これは合法であり、僕たちは日本国民であるかぎり、この前提を容認している立場にあるからです。
ちょっと逸れますが。
この映画を思い出します。
『フルメタル・ジャケット』（英語: Full Metal Jacket）１９８７年
ベトナム戦争を題材にした戦争映画で監督はスタンリー・キューブリック。
ベトナム戦争時、アメリカ海兵隊に志願した青年 ジョーカーは、サウスカロライナ州パリス・アイランドの海兵隊訓練キャンプで厳しい教練を受けることになる。
キャンプの鬼教官・ハートマン先任軍曹の指導のもとで行われる訓練は、徹底的な叱責と罵倒、殴る蹴るの体罰が加えられ続けるという、心身ともに過酷を極めるものだった。さらに連帯責任による懲罰、訓練生の間で行われるいじめなど閉鎖的な空間で受ける社会的ストレスが次々と描かれていく。
落ちこぼれだった訓練生レナードは、ハートマン軍曹から早々に目を付けられ、レナードの連帯責任として懲罰を受けることになった訓練生たちからも、激しいいじめを受け続ける。しかし、ジョーカーら同期生のサポートを受けて訓練をやり遂げ、最終的に射撃の才を認められ高い評価を得る。
だが、過酷な訓練により精神に変調をきたしてしまい、卒業式の夜にハートマンを射殺した後、自ら命を絶ってしまう。
こういうことは、古今東西、軍隊組織においては普通に起こりうるのでしょう。
自衛隊の今回の事件については、逮捕された男は「八代３曹を殺すつもりはなかった」という趣旨の供述をしています。
八代３曹は男を止めようとして撃たれたとみられていますが、親しい友人だった女性がテレビの取材に応じ、「自衛官候補生の教えている人たちが『すごくかわいい良い子ばかり』とよく褒めていました。(止めに入ったのは）彼らしいなというか、本当に真面目で仕事を全うしているような方だった」と述べています。
犯人は警察の調べに対しては、亡くなった２人を含む特定の隊員や組織に対する不満や恨みについての供述を一切していないことがわかっています。
これはちょっと怖いことですが、もっと複雑な背景があるのかもしれません。
詳細を明らかにするべきでしょう。
ちなみに、例の宮古島のヘリ遭難事件、どうなっているのでしょうか。
