にこたろう読書室の日乗

死なないうちは生きている。手のひらは太陽に!

0600 起床 気分快 曇 「勝つこと」を定義します。「勝つことは、偉いことだ」。これは、負けることの辛さを心底、知っている人だけが言える言葉。

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負けるということは、辛いことだな。

「勝つことは、偉いことだ。」

これは、負けることの辛さを心底、知っている人だけが言える言葉。

 

渡辺さん、負けちゃった。

 

第81期名人戦第二局】<終局の瞬間> 渡辺明名人 対 藤井聡太竜王│ABEMA将棋 - YouTube

 

凄く研究をして、もうこの戦い方しかない、というスタイルを第一、ニ局と投入して、最後の砦の「名人位」を死守しようとしたのに。

まあ、7番勝負だから、あと少なくとも2局は指せるんだけど。

 

スローに進行 将棋名人戦七番勝負・第2局1日目:朝日新聞デジタル

居飛車に対して、左高美濃。

端の守りを放棄して、来れるなら来なさい。

なんかを感じますよねえ。

 

引っ張りこまれた感じで、藤井さん、ちょっと難解な展開に。

 

苦境を打破しようと頭を抱えながら、的確に渡辺名人の手に対応。その中でじわじわとリードを広げていっての勝利。「序盤の構想の立て方と中盤で誤算があったので、次局以降の課題だと感じています。しっかり振り返って、次につなげられたらと思います」と、連勝にも喜びの表情はなかった。

 

AI評価値はほぼ互角の進行で、終盤は藤井さんやや不利になったんだけど、強い人なら誰もが考える「1三角成」からの端への強襲を「無理」と見てじっと思いとどまれる「冷静」さ。

 

「冷静」とは違うのか。

「負けたくない」という、ぎらぎらした壮絶な強い思い、が感じられる場面だったなあ。

 

第81期名人戦7番勝負/第2局「藤井竜王強し、会心の2連勝発進」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

投了図。

 

一手前の2六歩打ちが絶妙の決め手

その前の「1四桂」を取ったほうが良かったらしいのですが、ちょっともう藤井さんの勝ち筋に入っている感じ。渡辺さん、ほとんど考えないで3三玉と逃げちゃった。

 

子どものころから、負けると「号泣」してきた藤井さん。

今はなんとかこらえられるけど、気もちは変わらないんだろうなあ。

 

ちなみに。

 

勝つことは、偉いことだ」っていうのは往年の塚田正夫名人・名誉十段の言葉です。

 

あたりまえのことを言って、なぜか人を納得させてしまうのは、この人が言ったから、です。

 

あんまり知られていない人だけど、こんな感じ。

 

1947年、戦前から無敵を誇っていた木村義雄名人を破って名人位を獲得。実力名人制となって以降、2人目の名人となる。翌1948年の名人戦大山康晴の挑戦を退けて防衛した。また同年、朝日新聞社主催「塚田正夫名人・升田幸三八段 五番勝負」が行われたが、こちらも3勝2敗で勝利する。

だが1949年の名人戦で木村に敗れて失冠。この名人戦の最終第五局(この年だけ五番勝負だった)は「済寧館の決戦」といわれた名勝負となったが、塚田の潔い投了が話題となった。

 

第6期名人戦(1947年)木村義雄十四世名人と塚田正夫名誉十段が対局 [写真特集1/4] | 毎日新聞

これは1947年の名人戦の時の写真。

左の木村さんは、それこそ今の藤井さんみたいに、強かった。

なんか似てるなあ。

飄々としてるのが塚田さん。

 

逸話。

 

将棋界では、先輩が後輩におごり、おごられた後輩は自分が「先輩」になったら後輩におごる、という文化がある。しかし、塚田は棋士と飲む時は、相手が20かそこらの新四段であっても必ず割り勘を通した。

後輩に、「君、一杯飲みに行こうか」とさそって、後輩が喜んでついていくと、ほんとにイッパイだけ飲んで、帰ってしまう。自分の分だけ金を払って、さっさと。

これは、塚田がケチであったから、という訳ではなく、「後輩棋士であっても盤上で戦う相手。おごるのは間違い」という塚田の考えから来るものであった。その証拠に、塚田は相手が棋士でなければ、気前よくおごっていたとのこと。

 

なんか、良い人だな。

 

というわけで、渡辺さんも、今日から切り替えて、なにかを見せてほしいなあ。

 

負けたぜ – illust STAMPO (イラスト スタンポ)

 

「勝つこと」を定義します。

 

「勝つこと」とは:

 

それは「偉い」ことです。

何百、何千の「負け」を潜り抜けて、初めて観る高みの景色。