血圧値 110/68/90 酸素飽和度 97% 体温 36.2℃ 体重 71.0キロ
藤井さん。相変わらず調子が良い。
怒涛の進撃。
だれも止められなさそうに見える。
将棋界にとっては、ちょっと微妙な状況だけど。
志ある全棋士のみなさん、諦めたら、そこで試合終了だ!
藤井さんは現在、渡辺明名人との名人戦七番勝負のさなかでもある。叡王、名人、叡王、名人、名人…と交互に戦う過密日程だ。
これに加えて、挑戦者に菅井竜也八段を迎えた第8期叡王戦五番勝負が始まった。
挑戦と防衛。
まさに王者のお仕事。
本人はあまりプレッシャー感を見せずに、飄々と勝ち続けるけど。
まあ、本物とはそういうものなのだろうね。
そのうち、つねに防衛が当たり前、という状態になるでしょう。
大山15世もそうでした。
仮に名人戦、叡王戦ともに最終局までもつれ込んだ場合、6月から棋聖戦五番勝負も始まる予定のため、自身初の“トリプルタイトル戦”の可能性もあるのですが、それはどうかな。
どちらも4連勝・3連勝という藤井さんの無双進撃を、はたして回避できるか、ぐらいが当面の焦点です。
名人戦第1局。渡辺さんのもたれて指す作戦は、冷静に追尾されて、藤井さんの後手ブレイクが成功。これは一気に4たてか。
どこで悪くなったのか、なぜ勝てないのか。
その原因すらわからない、と渡辺さん。
これは辛いなあ。
目標が立たないと、悲壮です。
「負けるようにできているんだよなあ」というぼやきがすべてを示しています。
中盤、五分五分に見えた風景が、終了図では圧倒的な敗勢に変わっている。
これは、なんなのか。
「藤井さんには、いったいどんな風景が見えているのでしょうか?」という、若手最新鋭検討陣の呆然とした感想。
そんな中で、貴族・佐藤天彦の大盤解説は面白く、またためになったなあ。
最高レベルの頭脳は、こういうことを考えてるのね。
藤井さんをちゃんとリスペクトしつつ、自分の覚悟みたいなものを語っている。分かりやすく聞こえるけど、素人が理解できる次元を超えている。
挑戦者に菅井竜也八段を迎えた第8期叡王戦五番勝負第1局が11日、東京・千代田区の神田明神で行われた。
藤井さんは居飛車しか指さないし、最近のトップ棋士レベルの戦いは相居飛車戦ほぼオンリーだから、これはプロでも注目のカードです。
振り飛車が藤井さんに効果的だと分かれば、また少し景色も変わってくるでしょう。
事実、藤井さんは菅井・久保という振り飛車両巨頭に負けたことがある。
(この前の王将戦で羽生さんはついに飛車を振らなかったけど。)
本局は振り駒で先手は藤井叡王。菅井八段が飛車を横に動かす振り飛車に構え、居飛車対振り飛車の戦いとなり、じっくりとした持久戦で進んだ。中盤以降、的確な攻めで徐々に優位を築いた藤井叡王がそのまま押し切った。
両者、銀冠のほぼ同型の堅陣なんだけど、序盤で機敏に取った(取らされた)9筋の位がどう影響するのか。あと、先手の右銀が深く1段目まで引き付けられていて、見ようによっては壁型なんだけど、これは有利に働くのか?
そんなこんなで、がっぷり四つに組んで、結局そのまま寄り倒された感じだなあ。
管井さん、なにもできなかった。
もう少し暴れていかないといけないのでは。
経験値はあるんだから、大乱戦に持ち込まないと。
見て立っても、駄目なんじゃないかなあ。
解説の千駄ヶ谷の受け師・木村九段は、この一局を「藤井叡王は攻めの技術に定評がある方だが、今回は受け方というものが大変落ち着いていて、的確な対応だったと感じた一局だった」と総括。木村さんに褒められるんだから、本物だ。
一方、菅井さんについても、形勢に差が開きつつある中、終盤で出た9筋への香打ちの一手が、解説の木村九段にとっては、一局の中で最も印象に残った一着だったという。「歩と金の交換となるので後手は大損は大損ですが、そこで『何かあったんですか?』とばかりに香車を打つというのは、相手をハッと驚かせる一着」とし、先手に歩がない状況を見越した一手で、9筋を逆襲できれば戦況は混沌。「こういう手が出るところが実力者の証」と根気の入った粘りの一手を称賛した。
結果はともかく、なかなかの好局でしたが、今後の推移は如何に?