にこたろう読書室の日乗

死なないうちは生きている。手のひらは太陽に!

0610 起床 気分並 晴 そもそも「仏像」って何だろう。とくにアイドルと巡る仏像!

血圧値 111/72/73 酸素飽和量 98% 体温 35.7℃ 体重 67.8キロ

アップロードが変だな。体温も低め。これはちょくちょくあります😃

朝一番の書き込みは、スマホアプリからです。これは外泊とか出先でもできるように😉
なので通信環境の具合により、いろいろ問題が生じます。山奥とか行ったら困るねえ。どうしようかな❗

今日は気持ちの良いお天気ですね。美しい6月。風もさわやか。

今までは仕事もあったし、おいそれと遠くに出かけたりできなかったけど、いろいろ行ってみたいなあ。新緑のヨーロッパの森とかもね。ドイツ東部のバッハを訪ねる旅とか。
生きてるうちにね!(実感)

五反田リハビリ病院にいたときに、村松哲文さんが、2度も突撃差し入れに来てくださいました。あと八木原くんも。感謝!
ご存じの通り、今は日本中の病院が面会封鎖です。なのでお礼もちゃんとできずにいただく一方です。陳謝!

村松さんは(八木原くんも)学校の後輩です。一時、職場も同じだったりして、ずいぶん長いこと仲良くさせてもらっています。村松さんは駒澤大学仏教学部教授で、専門は仏教美術史。
今はもうないのですが、御尊父が武蔵小山で中華料理のお店をやってらして、家が近かったりして随分とご馳走になったことがあります。その節はありがとうございました。

もらった本は、これ。(関連記事は2022-05-10)

『趣味どきっ!アイドルと巡る仏像の世界』

2020年9-10月にNHK Eテレで全8回(一回は25分)で放映された「アイドルと巡る 仏像の世界」のテキストです。番組では講師の村松哲文さんとナビゲーターの和田彩花さんがレギュラーで毎回ゲストに異なるアイドルが出る形式。アイドルたちが可愛く解説や感想を言っていて、この世代の自然な受け入れ方に妙に納得。年寄り(僕なんかの世代、喪失真っただ中)は理屈っぽいしエラそうにするからいけません。

村松先生は、難しいことをわかりやすく言えるという才覚の持ち主で、エラそうな態度を微塵も見せないところが素晴らしい。もともと素でそういう人柄なんですね。適材!

和田彩花さんは、ハロー!プロジェクトの女性アイドルグループ・アンジュルム(旧・スマイレージ)の元メンバーで、初代リーダーですから、まあ、アイドルではあるのですが、特技は、美術(西洋絵画、日本美術)や仏像について話すこと。しかしてその実体は、大学院文学研究科美術史学専攻修士課程修了の才媛。本物! 

いいなあ、アイドルと旅して仏像観るんですよ。ほかのアイドル達もゲストで来るし。村松さん最高の出世ですねえ。ほんとに。

ちなみに、「アイドル」が職業名になったのはいつからなのかな。ここで脱線すると尺が足りなくなるから、まあいいか。「外見が最も重要視されるモデルとは異なり、容姿が圧倒的である必要はなく親しみやすい存在であることが多い」という説があるけど、なんだかなあ。下記参照。
https://cocoiro.me/career/article/33897
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AB

今気がついたのですが、そもそも「仏像」って何だろう。単純な疑問だけど。
村松先生はいまどきのアイドルに(和田彩花さんは識者ですからちょっと別格)、なんて説明してるのかな。ちゃんと観てなかった。

標準的な定義はこんな感じ。
①仏像とは、仏教の信仰対象である仏の姿を表現した像である。
②仏(仏陀如来)の原義は「目覚めた者」で、「真理に目覚めた者」「悟りを開いた者」の意である。初期仏教において「仏」とは仏教の開祖ガウタマ・シッダールタ(釈迦)を指したが、大乗仏教の発達とともに、弥勒仏、阿弥陀如来などの様々な「仏」の像が造られるようになった。

まあ、この2点かな。ある思想というか宇宙観を唱えた人物(ガウタマ・シッダールタ)がいて、布教活動の便宜上その象徴として偶像(仏像=アイドル=アイコン<イコン>)が作られ、のちには偶像自体が信仰の対象になる場合も生じる。僕たちはこの過程を逆にたどることになる。
最後のパターンを、ちょっと軽く見て庶民信仰なんていう場合もありますね。失礼だが。

インディ教授が見つけてくる不老不死のクリスタルスカルみたいに、いまここにある「物自体」が、何かの効力(霊力)を発揮するわけではない。だから僕たちは、実体として目の前にある仏像を媒体として、その後ろにある壮大な宇宙観・死生観を覗き見ようとする。

そうなんだけど、実際はまたそうでもない。もっと現実的なお願いやお祈りの対象に成ってほしい、という切実な欲求が生まれてくる。
その変遷と多様性をたどるのが、仏像を巡る旅なのですね。それをアイドル(現代の、生きている偶像)といっしょにやるわけだ。面白い。可愛いし。村松先生も、人柄が可愛い。

さて、これは実はアンコール放送で、僕は前に一度観ているのですが、入院中でほかにあまりすることもないし、テキストまで頂いたので、今回は妙に真剣に、くまなく拝視聴いたしました。

御礼かたがた、ご質問をひとつさせていただきます。

「【新薬師寺十二神将の回】を見て考えたのですが、如来と特定の複数の天部・菩薩などとの複合体の構成案は、インド起源に多く存在するのでしょうか。

涅槃群像みたいな、釈迦と仏弟子との組み合わせに、観音みたいな菩薩がしだいに追加されるのかしらん。これはヒンドゥー教など、他の文化的要素を取り込む過程でしだいに形成されるものですね。十二神将のように明らかに中国思想の影響が色濃いものも多いですね。とくに12という数字。最終的に、密教曼荼羅のような立体的構成的な宇宙観が出来上がるのは、インドでもグプタ朝以降でしょうか?」

村松先生の返信】
「ご質問ですが、仏像を群像にするのは、おそらくインド的な考えではないと思います。ご指摘のように密教になると、その限りではないですが。例えば三尊形式(菩薩・如来・菩薩)というのは、おそらく中国に起源があるのではと思います。何よりも釈迦の三尊は、文殊と普賢といわれますが、根拠はないです。唯一、毘盧遮那仏の脇侍が文殊と普賢と経典にあるくらいです。釈迦はそこからの遠用と思われます。ですから飛鳥時代法隆寺釈迦三尊は、特に決まってないので薬王と薬上という菩薩が脇侍になっています。涅槃もインドの涅槃像は、弟子とクシナガラの住人、執金剛神くらいです。そのうち、ものすごく増えてきて、涅槃の場面は賑やかになります。十二神将も、はっきりしたことは言えませんが、薬師如来の考えができてから、だいぶ後だと思います。
おっしゃるように、密教の成立以降、仏像の世界観が巨大なものになり、そこに登場する仏像も爆発的に増えますね。三千大世界に仏像がいるということになりますから。グプタ以降というのも妥当だと思います。」

なるほど、ありがとうございました。

僕は中学校の修学旅行で京都・奈良へ行って、仏様の像をたくさん見たりして以来、漠然と仏教に関心を持ち、そのころ母親が病弱で入退院を繰り返していた状況もあって、仏教や生と死の哲学に思いを致すようになりました。「中二病」とも言いますが。
そう思う子もけっこういると思うけど、じじむさい趣味だと思われないように、あまり人には言わないみたい。村松先生とかも。
そういう思いはずっと高校・大学を経て、現在まで連綿と続いています。
じゃあ仏教徒かと言われるとちょっと違うのですが。宇宙の構造と法則に思いを致す精神の在り様の一つとして、仏教的思想にシンパシーを抱いている、というのが正確でしょうか。場合によっては、神頼みもしますし。世界史を教えているから、飯のタネのひとつでもある。

ネタバレですが、たとえば萩尾望都のこれなんか、僕は当時とても影響を受けましたよ。ミロクとかイエスとかアシュラとかが出てくる。

光瀬龍SF小説萩尾望都によって漫画化。当初の仮題は『百億の昼、千億の夜』であった。『S-Fマガジン』に1965年(昭和40年)12月号から1966年(昭和41年)8月号まで連載された。日本SFの中でも壮大なスケールを持つ作品として知られる。「神」をテーマにし、終末観と救済など、宗教・哲学的色彩も濃い。」

ナザレのイエスが凄い悪者になってる!
僕はこのとき、宇宙はエントロピー増大の方向に向かうのが定めで(諸行無常)、これに抗うもの(この場合は阿修羅王ね)が生命の働きなんだ、ということを悟りました。おお。大悟した。
『11人いる!』と『百億〜』と『スターレッド』、は日本SF漫画の宝だそうです。

あともう一つ挙げるとするとこれなんだけど、秦恒平についてはまた別の機会にお話ししましょう。
全小説・全評論の私家版を持ってます。じつは影響大!


みごもりの湖  (1974年) 秦恒平
「京都・琵琶湖を舞台にした 昭和40年代の芳醇な物語である。 物語は 私と 槙子の 視点で語られる。 槇子の姉 唐木直子の存在が 儚げで、 心に残る。 忽然と消えた 直子の面影を追いながら、私と 槙子の 想いがクロスしていく… どこまでが 物語で どこから が現生なのか?  平城京末期の王朝の風景を 盛り込みながらの、ひどく 情念的な物語。」

秦恒平 はた-こうへい
1935- 昭和後期-平成時代の小説家。
昭和10年12月21日生まれ。北沢恒彦の弟。医学書院に勤務のかたわら小説をかき,昭和44年「清経入水」で太宰治(だざい-おさむ)賞。王朝文学の影響をうけ,幻想的な作風に特徴がある。ほかに「みごもりの湖(うみ)」「親指のマリア」など。平成3-8年東京工業大教授。京都出身。同志社大卒。

これから郵便を出しに出かけます。

外はもう夏の風情です。新海誠の空と雲。
公園の緑も美しい。

お昼は学芸大学駅近くの「とんかつ 肆参(しさん)」で、メンチカツ。

これ食べたので、運動しなくちゃ。
さらに片付け続行。

ではでは。