にこたろう読書室の日乗

死なないうちは生きている。手のひらは太陽に!

0530 起床 気分快 曇 斑鳩4聖地弾丸巡行【秘仏に会いに行こう№02】その2 大宝蔵院の仏たち。とくにお二方の観音菩薩について。

血圧値 110/79/69 酸素飽和度 99% 体温 36.3℃ 体重 70.0キロ

 

大宝蔵院は、百済観音堂を中心に東西の宝蔵からなる建物で、法隆寺の寺宝を収蔵、公開しています。

昔はこんなに立派ではなかったと思うけど。

 

 

写真は、基本、公式か公開されているのもの、を貼ります。

 

まず、おひとりめの観音様。

 

観音菩薩立像(夢違観音) 国宝

 

銅製鍍金で像高 87.3cm。頭部の三面宝冠と台座は別鋳で本体は一鋳になり、内部は空洞。白鳳時代の代表作の一つ。なお台座は江戸時代の後補。

 

東院夢殿の後方に建つ絵殿の本尊として伝来した像で、「夢違観音」と呼ばれるのは、江戸時代に書かれた『古今一陽集』に,「悪い夢を見たとき,この観音像に祈るとよい夢に変えてくれる」という信仰からだといいます。

獏みたいですね。

夢喰いバクの夢 / 少年 さんのイラスト - ニコニコ静画 (イラスト)

 

ゆめたがえ/ゆめちがい。

どっちの読みが一般的なのかな。

僕は前者で読んでます。

 

素晴らしい気品の造形。優しく清々しい表情、しなやかな曲線美。

白鳳様式の美の極致ですね。

シルクロードの国際的文化様式を取り入れた唐王朝のモードの影響を受けながら、日本風の雅な雰囲気を感じさせます。

 

化仏を頂き、宝瓶を持つので、「聖観音」です。

 

観音様は、中国の経典では「観音菩薩・観世音菩薩・観自在菩薩」と呼ばれます。

 

観音菩薩の起源や性別には定説がない。」 Wiki

 

またまた!

 

これだけ有名で、広く各国・各地に信仰されている仏様でも、その由来や実態は謎に包まれている。仏教という壮大な虚構は奥が深いですねえ。

 

サンスクリット語で Avalokiteśvara、アヴァローキテーシュヴァラ。

音を視る者」、この場合の音は声、と解釈するのが良いかも。「玉音」とかね!

 

救けを求める無数の衆生の声を、瞬時に視る

聞くより迅速かつ、キャパシティーも深い、ということでしょう。

 

鳩摩羅什の旧訳では「観世音」でしたが、玄奘の新訳では「観察された(avalokita )」と「自在者(īśvara)」の合成語と解釈し「観自在」と訳しています。

三蔵法師玄奘は、「古く光世音、観世音、観世音自在などと漢訳しているのは、全てあやまりである」と、みもふたもなく言ってます。

自分が、正しい! なんたってインドまでかち歩きで往復したんだから!

西遊記にも出てくる玄奘三蔵とはどんな人なのでしょうか - 仏教辞典

 

まあ、「かんのんさま」でも良いか。

 

「菩薩」、bodhisattva ボーディ・サットヴァの一種(なんか失礼な言い方か)なので、釈迦を理想とし、自身が「仏陀」になることを目ざした修行者のすべての援助(菩薩行)を行うもの、というありがたい善意の仏様、ということになります。

 

大乗仏教の普及に伴い、とんでもなく広い範囲に普及・伝播しました。

 

おふたりめの観音様はこちら。

百済観音像 国宝

木造 像高:209.4㎝

飛鳥時代、7世紀前半〜中期とするのが通説。

作者は不明。名称と伝承から外国伝来と考えられていたが、使用材は像身はクスノキ、水瓶と蓮華座がヒノキで、日本国内産であることから、日本で制作されたものと見られている。

 

一本造りです。肘先や天衣は別材を継いでいます。最大の特徴はやはり八頭身の長身で、飛鳥仏を代表する微笑(アルカイックスマイル)です。

江戸時代まで虚空蔵菩薩とされていましたが、明治に化仏のある透かし彫りの宝冠が見つかったため観音菩薩であることが確定し、百済観音と呼ばれるようになりました。

 

かつて百済観音像は金堂の壇上で、釈迦三尊像の後ろに安置されていましたが、現在は百済観音堂に安置されています。

 

謎めいていて妙にリアルな表情。

巨身で、ゆらりとした立ち方。

聖徳太子の王子が使ったという「王子型」と呼ばれる水瓶。

他に作例の見られない珍しい五角形の台座。

 

2メートルを超える大作でありながら、1698(元禄十一)年の資料に名が記されるまで千年もの間の記録が見つかっていないという伝来の謎。

明治時代に「百済観音」の名で広く知られ、その姿から「せいたか観音」や「酒買い観音」といった愛称もつけられました。

 

こういう感想も。

 

百済観音は7世紀半ば頃、飛鳥時代に制作されたと見られますが、多くが厳粛な雰囲気を持つ飛鳥仏においては異彩とも言えるやさしい表情をしています。
特に小さな目や口は楚々とした印象を与え、アルカイックなスマイルが多くの人に愛される所以です。」

 

そうなのか?

僕にはこの観音様は、ちょっと怖い感じがするなあ。

夜中に、暗い廊下で出会ったら、絶叫するのではないかな。

 

今回、前後左右くまなく観察して、興味を持ったのは、光背を支える支柱が、竹のモチーフで飾られているところです。

 

これは飛鳥仏の特徴なのかな。

 

ここにはほかにも、玉虫厨子(国宝)だとか阿弥陀三尊像及び厨子(橘夫人厨子、国宝)だとか、まさに宝物級が目白押しなのですが、さっと通過して、これから東院伽藍に向かいます。

 

今回のメインの目標、夢殿があるのです。

 

以下次号。