血圧値 129/87/78 酸素飽和度 98% 体温 36.2℃ 体重 68.6キロ
北海道函館で公立中学校の美術教諭をしている九千房政光(くせんぼう・まさみつ)さんが作り上げた「菩薩立像」。
仏像は、初期のころのシッダールタ個人の肖像的なイメージから、大乗仏教の成立時期からしだいに中性的イメージに変化し、さらには観音菩薩像のように明らかに女性的風貌を持つものまで、多様な展開を遂げています。
その現在の最先端の作例がこちら。
髪型があまりにもリアルなのは、好みが分かれるところかな。
「使っているマテリアルは主に、顔はスカルピー、体はラドールやファンドなどの石粉粘土。収縮率や硬度、粘り強さを考えながら部位に合わせて使用しています。原型をそのまま作品にすることはありません。スカルピーは経年でヒビが入ったり、もろくなってしまいます。原型は必ず型を取り、作品は別な素材に置き換えるようにしています。しかしレジンの二次原型、三次原型にすると相当な収縮を見せますので対応が必要です。」
【スカルプターズ・データベース】美しき仏像造形の世界・九千房政光 | TOPICS | スカルプターズ・ラボ
今回の新作を含めて、2018年から計10体の仏像を完成させている九千房さん。
(お名前もなんか優雅!)
リアルな現代女性の姿を元に造形している理由については、著名な物を含めて多くの菩薩像が「女性の形に寄せて作る傾向」があると気づき、「初めから女性として作ってもいいのでは」と思い立ったという。
これまでの先行作品は こんな感じ。
大日如来胸像
弥勒菩薩坐像
聖観音菩薩胸像
救世観音菩薩胸像
「私は私の作品を人間の肌のように塗りません。人間の肌のように塗る行為は人に近づける目標とは逆行する行為と考えています。あえて塑像風な色合いや劣化した風合いで表現し「不完全の美」を目指しています。彫刻家平櫛田中が弓を射る像を作ったときにその像の手には弓はありません。鑑賞者がその腕の筋肉、ムーブマンを感じ取り、そこにあたかも弓があるかのように思わせることが真の造形と考えていました。弓を射る像なのに弓が無い。人間なのに肌色で塗らない。そこに「不完全の美」があるからこそ人間の無限の想像力に委ねて、より生きた人間に近づけるようこだわりを持って作っています。」
今後について、「現在では仏教の儀軌(ぎき)になるべく則って造像してゆくことも必要と考えている」と打ち明けたそうです。
密教の展開に伴って尊像の種類が急激に増加し、多面多臂の複雑な像容をとるものや、女性の尊像も出現したため、多種多様な像容を細かく規定し,造像法も定型化したのが「儀軌」。
九千房さんは、こういう縛りを意識したうえで、どれだけ自由な表現ができるかという方向を目指したい、と述べておられるわけですね。
楽しみに待ちたい、と思います。
もう一つの事例はこれ。
「一休さん」として知られる一休宗純禅師ゆかりの大徳寺・真珠庵(しんじゅあん、京都市北区)で、襖絵(ふすまえ)約40面が約400年ぶりに新調され、「ファイナルファンタジー」シリーズのアートディレクターを務めた上国料勇さん(48)は、「Purus(プルス) Terrae(テラエ) 浄土」と題して、日本の神仏8体を取り上げた。
「(山田宗正)和尚さんから『未来の観音様を描いてほしい』と言われ、僕なりの独自の解釈でデザインをした」と語る。
こんな感じ。
FFの設定資料集みたいな雰囲気ですね。