にこたろう読書室の日乗

死なないうちは生きている。手のひらは太陽に!

0600 起床 気分快 曇 【竹竿と西洋毛針釣り】① もう一つの終活について。フライフィッシングをどうするかなあ。

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僕には「おばあちゃん」が一人いました。母方の。

99歳まで元気に生きて、大往生。

いろいろ可愛がってもらいました。

もっといろいろ話を聞いておけばよかったな。

なんせ、人生で二つの世界大戦と関東大震災を経験した人ですからね。

 

「おじいちゃん」経験はないな。

ちょっと残念!

 

 

こういうエッセイがあります。

 

『竹竿と毛針釣り』

 

日本の山間部に育った私にとって、竹竿と毛針釣りは、幼少期の思い出と深く結びついている。祖父と一緒に過ごした夏の日々、静かな川のほとりで竹竿を握りしめていた記憶は、今も鮮やかに心に残っている。

 

祖父は釣り名人だった。竹を一本一本手に取り、丹念に磨いて竹竿を作り上げる姿は、まるで魔法を見ているようだった。毛針もまた、祖父の手作りだ。彼は羽根や毛糸を使って、小さな針に色とりどりの素材を巻きつけ、美しい毛針を作り出す。どれも自然界の昆虫に似せて作られており、川の魚たちにとっては魅力的な餌となるのだ。

 

釣りに行く日は、朝早くから準備が始まる。竹竿と毛針、それに弁当とお茶を持って、祖父と私は川へ向かう。川に着くと、祖父はまず水の流れや深さを確かめる。彼の目は魚の影を捉え、どのポイントが良いかを瞬時に判断する。私はその後を追い、指示を受けて竿を振る。

 

竹竿は軽く、しなやかで、手の延長のように感じられる。その感触が好きだった。毛針を川に投げ入れると、小さな波紋が広がり、水面下の世界に合図を送る。魚が毛針に興味を持ち、近づいてくる瞬間の緊張感は、言葉では言い表せないものだ。

 

「来たぞ」と祖父の声が響く。竿がしなり、水中の魚の力強さが伝わってくる。素早く引き上げると、銀色に輝く魚が空中に舞い上がる。その瞬間の喜びと達成感は、釣りの醍醐味だ。

 

しかし、釣りは単なる獲物を得るための行為ではない。自然と向き合い、その中で時間を過ごすことが、本当の価値だと祖父は教えてくれた。川のせせらぎ、鳥のさえずり、風に揺れる木々の音。そのすべてが、私たちの心を癒してくれるのだ。

 

また、釣った魚を大切に扱うことも、祖父の教えだった。釣り上げた魚は丁寧に針を外し、必要な分だけ持ち帰り、残りは再び川に放す。自然の恵みに感謝し、共生する姿勢を学んだのも、こうした釣りの経験からだった。

 

大人になった今、忙しい日常の中でふと、あの静かな川辺の風景を思い出すことがある。竹竿を握りしめた手の感触、毛針を巻く祖父の手元の美しさ。それらは私の心の中で生き続けている。

 

竹竿と毛針釣りは、単なる趣味ではなく、私にとっては人生の一部だ。それは自然との対話であり、祖父との絆を深めた貴重な時間だった。これからも機会があれば、竹竿を手に取り、毛針を巻いて川に向かいたい。祖父の教えを胸に、静かな時間を楽しみながら、自然との調和を感じるために。(完)

 

ここでいう毛針釣りは、日本のスタイルだから、「テンカラ」と呼ばれるものですね。

 

超楽しい】釣りキャンプの魅力や注意点を紹介!伝統的釣り方〝テンカラ〟とは? (1/2) - ハピキャン|キャンプ・アウトドア情報メディア

 

こんな感じ。

餌の昆虫とかを鳥の羽を巻いてイミテートした「毛針」という小さな疑似餌で、魚をだまして釣るやつ。

 

僕が40年前くらいからやってたのは、これの西洋バージョンで、「フライ・フィッシング」といいます。

 

今、うちにある毛針(フライと呼びます)の一部は、こんな感じ。

 

左は淡水の渓流とか湖の釣り用、右の派手目で大きいやつは海の釣りやバスフィッシングで使うもの。

 

 

渓流魚の毛鉤釣りで記録に残る日本最古のものは1878年(明治11年)だそうですが、もともとマタギのような職業漁師とかもいただろうから、相当古くからあったものでしょう。

欧米の歴史はさらに古く、古代エトルリア時代(共和政ローマより古い)から、という説もあるくらい。

 

独学で覚えたので、どこか基礎的なことが抜けているかも。

 

フライフィッシング徹底攻略|必要な道具と仕掛けの作り方|Honda釣り倶楽部|Honda公式サイト

 

さて、上記のエッセイでは、毛針釣りが「私」と「祖父」の心のつながりの、懐かしい思い出として、語られています。

「おじいちゃん」っていいなあ。

 

面白いのは、アメリカでは、毛針釣りが繋ぐのは、「父」と「息子」です。

 

リバー・ランズ・スルー・イット <4Kリマスター版> [DVD]

 

『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992年)

 

ロバート・レッドフォードブラッド・ピット、運命の出会いが生み落とした珠玉の傑作。

 

ブラッド・ピットの名前が一躍有名になった作品。 20世紀初頭のモンタナを舞台にしたヒューマンドラマで、天真爛漫な性格の弟、ポール役を演じた。

 

 

ブラピ、若い!

 

映画ではトム・スケリット扮する父親が長老教会派の牧師で、ふたりの息子、兄ノーマン(クレイグ・シェイファー)と弟ポール(ブラッド・ピット)に人生の真実と釣りの楽しさを教え込む。

成長後、兄は東部の大学に進んで、やがては文学の教授となるが、弟は地元の大学に進み、新聞記者となる。ケンカ好きの弟はフライ・フィッシングでは天才的な才能を発揮するが、実生活ではだんだんと危険な世界に足を踏み入れ、悲劇的な最後を迎える。

 

いかにも「アメリカ」な展開ですね。

父親喪失、とか。

 

原作の小説は、すでに老人となった主人公マクリーンが、自分の家族の思い出を静かに振り返る物語になっています。

そんな小説の設定を生かして、映画版でも冒頭と最後に老人となったマクリーンが川で釣りをする姿が映し出される。つまり、ここで描かれるのは、ひとりの老人の追想です。

 

マクリーンの川 ノーマン・マクリーン (著), 渡辺 利雄 (翻訳)

 

このプロット、何かに似てるなあ、と思ってたら、これだ!

 

 

 

というわけで、スポーツカイトはほぼ復活して、今後ともまあまあ続けられそうなのですが、こっち(フライ・フィッシング)はどうしたらよいのかな、と考えているところ。

 

道具とかいろいろあるのです。

とりあえず最後に一度やってみるつもりで、もう一度フィールドに出かけてみようかな。

意外とまた新しい出会いと元気を取り戻すかもだから。

 

 

1995年、アラスカ。

29年前。36歳の時。


この川の思い出は、今でも僕の記憶の中に流れています。

 

A River Runs Through It !

 

ああ、そうだ。

冒頭のエッセイは、あれはチャットくんがまた5秒で書いてくれたものです。

「竹竿と毛針釣り」というタイトルでエッセイを書いて、というのが僕の指示。

なかなか、やるな。