にこたろう読書室の日乗

死なないうちは生きている。手のひらは太陽に!

0630 起床 気分快 晴 ちゃんとした蓄音機で素晴らしいワルターのマーラーの5番を聴きました。驚きしかない。

血圧値 117/80/66 酸素飽和度 98% 体温 36.0℃ 体重 68.8キロ

 

マーラー交響曲というと、ここ10年くらい5・6・9番が好きで、たまに聴いてます。若いころは「角笛交響曲群」が好きでした。

(7は最近挑戦中、意外と良いのかも。昔は変な曲だと思った。バーンスタイン聴いたのが良くなかったのかな)

 

マーラーは1番『巨人』からはまったんですが。これは中学生の時。

セラフィムレーベルのパウル・クレツキ/ウィーン・フィルハーモニー(1961年録音)、だったかな。

 

そのあと、ワルター/コロンビア交響楽団を聴いたらえらい遅い部分があってびっくりした記憶があります。

あれはテンポ・ルバートなのか?

 

マラ5と言えば、これ。

 

 

山田先生、元気で良いなあ。

ハリポタのゴブリンのグリンゴッツ銀行の人、みたい。

 

ハリー・ポッター』スタジオツアー「グリンゴッツ銀行」が初お披露目!あのシーンの再現も - フロントロウ | グローカルなメディア

 

それはさておき。

 

昨日、ちゃんとした蓄音機で素晴らしいワルターマーラーの5番を聴きました。

これはSPレコードというものです。

それを「蓄音機」というとてもレトロな雰囲気のある機械で聴きます。

この話は僕の世代でぎりぎり理解できる話だろうなあ。

 

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そのイヴェントとは、こちら。

 

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主催は、港区東新橋にある明治13年創業の老舗すき焼き店「今朝」の5代目で、社長の藤森朗さん。

 

僕がお店に伺った記事は、こちら。

 

0500 起床 気分快 晴 新橋のすき焼き屋さん『今朝』に行って来ましたよ。荷風のいきつけの店の一つ。 - にこたろう読書室の日乗

 

藤森さんが蓄音機に目覚めたのは19歳、大学生のとき。

横浜中華街にある古道具屋で、1枚500円ほどでレコードが山積みになっているのを見かけて購入し、実家にあった電気式蓄音機で聞いてみたのがきっかけだそうです。

 

藤森さんは欧州にわたりドイツの鉄板焼き店で修業を重ね、さらに蓄音機の魅力にとりつかれます。あと、飛行船もね。

 

0630 起床 気分快 晴 『今朝』続報。社長は「開運!なんでも鑑定団」にも登場。何マニアなのか? - にこたろう読書室の日乗

 

「休日にロンドンの骨董市に行ったとき、たくさん蓄音機が売られていて、1万円くらいでポータブル蓄音機を手に入れた。本格的に蓄音機にハマったのはそこからだと思う」

 

帰国後、英国製で最高級の蓄音機として知られる「HMV194」が販売されているのを聞きつけた藤森さんは、約280万円で購入。

「今朝」と同じビルにオープンした欧州料理店「ビストロ ベルラン」の店内で、HMV194を使ってレコードを流すようになります。

そして蓄音機の良さを知ってもらうため「蓄音機の會」を立ち上げ、毎月音楽会を開催。

 

今回のイヴェントで使用されたのもこの名機「HMV194」です。

 

 

とても大きな筐体ですね。

移動・搬入だけでも大変そう。

そのようなお手間をお掛けしても、このような素晴らしい最適な音場のホールで聴かせていただくことは重要ですね。

 

藤森さんはイギリス製・アメリカ製など広範に、博物館級の名機をたくさんお持ちなのでしょうか。

 

ヒゲ親父の音戯函

 

ブルーノ・ワルターは、僕が中学生のころ、初めてマーラーを聴きはじめるきっかけになった指揮者のひとりです。

 

ワルターマーラーのお弟子さんだったから、マーラー解釈の第一人者でしたが、残念なことにそのレコード録音は多くありません。

 

1・2・4・5・9番と大地の歌しかない。

6番録音してほしかったなあ。(演奏会もないのかな)

 

さて、今日の演奏。

 

「1947年のモノラル、ライヴ音源がいまにいたるまで現役盤として聴きつがれていること自体が、この演奏のもつ強烈なインパクトを端的に示している。マーラーの愛弟子、ワルター渾身の第5番である。全体にわたって快速、思い切りメリハリのきいたリズムと、限度を超えるような強奏が炸裂する演奏」というような感じで高評価なのですが、これはあくまでCD化されたソース(LPや最初のCDはラッカーマスターのテープコピーから製作された低音質のものでしたが、新発見のラッカーマスターからダイレクトに20ビットリマスターしたため格段に音質が改善されました)を聴いての評価です。

 

それが今回、SP盤で、しかも手回し蓄音機で聴いてみてどうなのか、というイヴェントなのです。

 

藤森さんは指揮者の正装で機器の操作をされるので、もはや「演奏者」ですね。

 

「蓄音機の懐かしくて、温かい音」、ではなく、一種壮絶な響き。

器楽曲や声の再生ならば、そういうニュアンスを想像しますが、このマーラーはフルオーケストラ(3管越え編成!)ですからね。

しかもそれを、アンプで増幅しない!

 

普通はしょぼい音を予想しますが、なんと驚きしかない金管のダイナミックレンジと弦の透明感。ホールの隅々にまで響き通る、分離した各声部。

さすがに重低音、とは言わないけど、ウーファーでボンボン鳴ればよいというわけでもないし。

しかも、マーラーの色彩感豊かな音響がちゃんと聴こえるのですよ。

驚きしかない。

 

マラ5の終楽章のロンドフーガ。

低弦までよく聴こえるし。

これまで死ぬほど聴いてきたアダージェット、今日のが一番素晴らしいと思いました。

 

ピアノと同じで、蓄音機は部屋ごと鳴るので、ホールの状態の良しあしも影響があるでしょう。

 

このホールはとてもライヴな響きで最高です。

蓄音機って「楽器」なんですねえ。これも発見。

 

ワインと軽食の打ち上げパーティーも良かったです。

いろいろお友達ができたし。

 

また、別の機会にも足を運びたいと思います。