血圧値 106/73/72 酸素飽和度 98% 体温 36.2℃ 体重 68.6キロ
この前聴いた「蓄音機」が素晴らしかったので、「機械」で音楽を聴く仕組みについていろいろ調べています。
自分のことを思い出そう。
僕が生まれた昭和30年代は、いわゆる「電蓄」から「ステレオセット」へとシステムが移り変わる時代でした。
なので、「手回し蓄音機」というものを実地で聴いた経験はありません。
うちにあったステレオって、これだったかなあ。
凄く似ているけど、記憶は曖昧。
ターンテーブルのニュアンスは、まさにこれ。
三菱 ステレオアンプ STA-501 DIATONE ダイヤトーン レコードプレーヤー
僕の幼稚園で、卒園記念に吹き込んだソノシート(あの赤いペラペラのやつ)を貰って、これで聴いた覚えがあるのですが。
この機械に付いてきた45回転のドーナツ盤に収録されていた「カルメン前奏曲」と「コーカサスの風景/酋長の行列」が、僕の最初の西洋音楽との出会い、だったのだと思います。
ああ、懐かしい。
なのでいまでもこの2曲を耳にすると、なんとも言えない気持ちになるのです。
そうこう調べてるうちに、なんと、現物を見つけました!(検索、恐るべし)
三菱電機 ステレオテストレコード(B面)
① カルメン前奏曲 – 渡辺暁雄指揮、日本フィルハーモニー交響楽団
② 酋長の行列(コーカサスの風景より)- 同上
ステレオ時代の到来に合わせ、各家電メーカーが販売店等でのデモンストレーション用に作成配布した中の1枚。
中身は東芝音工の赤盤で、1960頃の録音です。
そうか、渡辺暁雄/日フィルだったのか!
「右チャンネル ピー、左チャンネル ピー」ていう例のやつですが、酋長の行列が近づいてきて前を横切る、みたいなステレオシステムの演出をしたかったのですね。
ところで「ドーナツ盤」ももはや死語なのかな?
米国のビクター社がジュークボックスで再生可能で5〜8分の曲を収録することができる45回転の直径17センチ(7インチ)のレコード盤を開発し、1949年1月10日に公開しました。
このレコード盤には正式な名称はつけられませんでしたが、中心の穴が大きいことからドーナツ盤と呼ばれました。
日本ではLP盤に対してシングル盤と呼ばれました。LP盤とシングル盤は用途が異なるため競合することはなく、レコード盤の主流となりました。
中学生のころ、こういうのを買ってもらいました。
「4chシステム」とか流行ったころ。
これも、確証はないです。
もう本体は無いから。
でも似てる。(思い出した、サンヨーのOTTOシステムのどれかだったから、これは違うのか)
4トラックあるディスクは結局定着しなかったのかな。
リヤスピーカーは残響だけ拾うみたいな感じ。
ドボルザークとかチャイコフスキーとかベートーヴェン、しばらくしてマーラーにはまったあたりから、僕のクラッシック音楽への没入は始まったのでした。
☆
世界の歴史において、時代を変える発明というものはいろいろありますが、情報革命をもたらしたこの二つはとくに重要です。
グーテンベルクによる活字印刷術の発明(文字情報の複製と流布)
エジソンの蓄音機の発明(音声情報の記録と保存・再生・流布)
とくに、エジソンの「音声情報」を記録・流通させるという驚異的な発想!
発明王の幾多の業績の中でも特筆すべきものではないかな。
エジソン自身が、自分で製作した円筒式蓄音機からの音を初めて聴いて飛び上がるほど吃驚したそうですが、偶然発見された魔法みたいな技で、その原理は比較的シンプルです。
➀音声の記録:
手回し式蓄音機では、音声を記録するために円形の薄い金属板や円盤に溝を刻む方式が一般的でした。この溝は、音声の振動を記録する役割を果たします。記録の際には、音声を収めた口のついた針を円盤に置き、円盤を回転させながら針を移動させます。針が溝に沿って動くことで、音声の振動が金属板に刻まれます。
②音声の再生:
記録された音声を再生する際には、円盤を回転させながら針を溝に沿わせます。針が溝に沿うことで、金属板に刻まれた振動が再び針によって検出されます。この振動は針から伝わり、音響エネルギーとして放出されます。放出された音響エネルギーは、蓄音機のホーンやスピーカーなどの部品を通じて増幅され、聴取者が聞くことができる音声に変換されます。
エジソンの記録媒体はまだ金属円盤ではなく、蝋を塗った円筒(蝋管式)でした。
真理は単純なシステムに宿る、のですね!
ちなみに、エジソンの功績の陰で、エドワール=レオン・スコット・ド・マルタンヴィル(フランス)が発明したフォノトグラフが、電気的音響装置の前身である、という事実が存在することも、押さえておかねばなりません。
厳密には、エジソンは世界で3番目の蓄音機の考案者、とする説もあるようです。