にこたろう読書室の日乗

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0530 起床 気分快 晴 引き分けに陥るゲームの闇、について。二人零和有限確定完全情報ゲームとしての「将棋」の未来は?

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いろいろご意見・ご質問があったので、補足します。

 

将棋の「先手必勝」と「引き分け」の闇、について。

 

ゲームというものは、勝敗・雌雄を決するためにおこなうものです。

それが、原理的に不可能、となってはジャンルの終了です。

誰も、やりません。

 

たとえばこれ。

 

小学生時代、黒板とかノートの隅で、友達とやりましたよねえ。

 

 

3目並べ、○×ゲーム、なんていうのかな。

シンプルなゲームですが、お分かりのように、先手と後手が最善を尽くせば引き分け、ドローになりますね。

 

「全面核戦争には絶対的勝者はおらず、無意味である」ということと相似します。

 

なので、このゲームでプロを目指そう、という人はいません。

システムとして、これは勝負として成り立たない。

はさみ将棋、なんていうのもそうです。

 

厳密に言えば、5目並べ(正式には連珠と言います)、チェス、囲碁も同じ危険性を孕んでいます。

 

ただ将棋だけは、「取った駒を打てる」という1点に期待して、なんとか先後ほぼ同率、という暗黙の了解で続いてきました。


それが、ちょっと危機に瀕している今日この頃、ということです。

 

もう少し厳密に考えると、「ゲーム理論」において、将棋は、

 

二人零和有限確定完全情報ゲーム(ふたり ゼロわ ゆうげん かくてい かんぜんじょうほう ゲーム)

 

というやたら長い名前で呼ばれているものの一つです。

 

二人:プレイヤーの数が二人
零和:プレイヤー間の利害が完全に対立し、一方のプレイヤーが利得を得ると、それと同量の損害が他方のプレイヤーに降りかかる
有限:ゲームが必ず有限の手番で終了する
確定:サイコロのようなランダムな要素が存在しない
完全情報:全ての情報が両方のプレイヤーに公開されている

 

二人零和有限確定完全情報ゲームの特徴は、こんな感じ。

 

理論上は完全な先読みが可能であり、双方のプレーヤーが最善手をプレイし続ければ、必ず先手必勝か後手必勝か引き分けかが決まるという点である。

実際には選択肢が多くなると完全な先読みを人間が行う事は困難であるため、ゲームとして成立する。

例えば将棋やチェスなどは理論上は結果が決まっているが、具体的にどうなるかを求めることは事実上不可能である。

 

お分かりのように、AIの進化とAI越えの人間(例:藤井さん)が出てきたことで、将棋が微妙な感じになっているということです。

 

あと、将棋には「先日手指し直し」の規定があることで「有限ではない」、1ラウンド勝負なので、先後を決めるために行われる「振り駒」というランダム要素が無視できない、という点が問題になります。

 

さて、白熱する王将戦の人間的勝負は、今後どのような展開を見せるのでしょうか。

 

楽しみですね。

 

ちなみに、今日放映ののNHK杯将棋トーナメント準々決勝第2局は、永瀬王座VS.佐々木勇気です。

藤井さんに「普通に勝てるようになるかもしれない」強豪の試合です。

 

永瀬さんは「軍曹」、佐々木さんは「藤井さんの連勝を29で止めたあの男」です。

永瀬叡王就位記念インタビュー 叡王獲得までを盤上・盤外から振り返る「月に28日がVS、残りの3日が対局」 | ニコニコニュース オリジナル

 

佐々木さんについて、少々、補足。

ジュネーヴで生まれ、2歳までフランスに滞在。帰国後は埼玉県三郷市で育った。

出前で、餅をトッピングとして追加注文することが多い。佐々木のこの注文が契機となり、2016年後半から将棋界では空前の「餅トッピングブーム」が起きた。ただ力うどんが元々餅入りだと知らず、勢い余って「力うどんに餅追加」を注文してしまったこともある。

なんか、おもしろい人ですね。