血圧値 125/84/71 酸素飽和度 98% 体温 36.3℃ 体重 71.0キロ
もう去年のことになってしまいますが、「かばん40周年パーティー」というイヴェントに行きました。
そこで10年ぶりに穂村弘君に会いました。(30周年のパーティー以来!)
いやあ、なつかしい。
「かばん」は、「歌人集団かばん」あるいは「かばんの会」の略称。
また「かばんの会」が月刊で発行している短歌同人誌のことを指す。
最新号と40周年記念号はこんな感じ。
つまり、この歌誌とその母体である「かばんの会」は40年前にできて、それ以来毎月欠かさず月刊で発行されて、今日に至る、ということになります。
通算489号。
これはなかなかできないことで、偉いなあと思います。(ちょっと他人行儀ですが)
「カストリ雑誌」というのは3号(3合)で潰れる、という比喩だったくらいですからね!
その記念の会があったのです。
僕との関係はその40年前にまでさかのぼるのですが、今日はその話題ではありません。
Wikiをちょっとだけ引いておきます。
「1984年4月「かばん」は、中山明、小森須美、井辻朱美、黒崎政男、渋谷祐子、林あまりの6名が中心となって創刊された。創刊メンバーと初期会員の多くは、歌人前田透の急逝により、同年1月に廃刊となった「詩歌」の会員によって構成された。中山明が代表者(歌人集団「ペンギン村」村長)として創刊。」
☆
僕は短歌の実作や諸々のかかわりを離れて久しいので、こういう十年単位のイヴェントの時にデジャビュのように顔を出すくらいです。(創刊当時の初代編集長だから)
でもまあ、人と会うのはなつかしくて、嬉しいものですね。
僕を知っている「かばん」の人は、もうほんと少ないと思いますが。
このパーティーは井の頭公園内の木陰のテラスで、タイ料理の生春巻きや麺類、カレーなどをゆったりと楽しめる素敵なレストランで開催されたのですが、クリスマス会というニュアンスもあったので、あるあるのプレゼント交換がありました。
その際、僕が貰ったのがこれ。
不機嫌な姫とブルックナー団
高原 英理 (著)
天才作曲家にして非モテの元祖・ブルックナーオタク3人組との出会いが残念な女子の運命を変える?
図書館の非常勤職員・ゆたきは、男性マニアが集うブルックナーのコンサートで「ブルックナー団」を名乗るオタク3人組に声をかけられる。その一人がサイトに載せた「ブルックナー伝」を読んだゆたきは意外な面白さに引き込まれていく。
ブルックナーの不遇に自らの人生を重ねる彼らとつきあう彼女に変化が……。異才の書下ろし小説!
偶然この本をゲットしたわけですが、これまでうっすら聞いたことのある本だけど、自分では買わないものだったので、とても良い遭遇をしました。
この本、すごくおもしろかった。
なんといっても、穂村弘が帯文を書いている!
しかも、「ブルックナー」。
驚いたなあ。
「この残念な人を見よ」ていうのも穂村君らしいな。
そう、まさにそうなんだけど、穂村君が言ってるんだからねえ。
彼、これまでブルックナーなんて聴いたことないと思う、いや絶対。
でもこの本はちゃんと読んでるね。それは分かります。
そして面白がっていることも。
「ブルックナー」が、こういうニュアンスで「小説」になる、ということに驚きました。ラノベの形をした、評伝というか解説、なのかもしれませんが。
オットー・ケーラー「ブルックナーと批評家たち」(左からブルックナー、ハンスリック、カルベック、ホイベルガー)。
ブルックナーの後ろをつけて歩く3人の批評家たちが、ブルックナーのハンカチに落書きをしようとしています。
穂村弘のプロフィールは?
1962(昭和37)年、北海道札幌市生れ。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。 『短歌の友人』で伊藤整文学賞、『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。 歌集、エッセイ集以外にも、詩集、対談集、評論集、絵本、翻訳など著書多数。
穂村君が「かばん」に来たのは創刊後5、6年してからじゃないかな。
彼の小さな赤い車で、雑誌の入ったすごい量の封筒を郵便ポストに入れて回ったりしました。
最近では教科書なんかに出てるんですね、彼。
超メジャー。
☆
今日言いたいことは。
ブルックナーが好きな人も、嫌いな人も、どちらでもない人も。
もっと言えばクラシック音楽にこれまで関心がまったく無かった人も。
穂村君を知ってる人も、そうじゃない人も。
この本、読んでみたらどうかなあ、ということです。
なにかあたらしい世界が見つかるかも。
その気になれば、ネットでなんでも簡単に聴ける時代だし。
なお本書には「ブルックナー団員資格認定テスト」(全9問)というのが掲載されていて、ブルックナーに関する知識を試すことが出来ます。これはかなりヘビーです。
こんな感じ。
あなたのブルックナーマニア度を確かめます。次のアンケートにお答えください(「はい」「いいえ」のどちらかを選ぶ)。
①ブルックナーの交響曲は全曲、全楽章ごとに主題の区別ができる。
②ブルックナーの音楽を録音したCDを100枚以上持っている。
④ブルックナーの曲がプログラムにある演奏会に年20回は行く。
⑤交響曲は形式の明快さより、よいフレーズの繰り返しと多彩な和声の工夫をこそ聴きたい。
⑥音楽さえ良ければ作曲家の外見は全く問題ではない。
⑦交響曲第3番初演、と聞くと涙が止まらない。
⑧エドゥアルト・ハンスリックを一生の敵と考えている。
⑨ブルックナーの弟子の名前を5人以上言える。
僕の場合、⑤⑥はよいとして、②が足りないかな。
僕はどうやら、団員資格はなさそうだなあ。
とうことで、大晦日以来、今持っている家中のブルックナーのCDとかを聴いてみているのです。
このウィーフィルとのライヴは、カラヤンの最後のレコード録音になりましたね。
こういうことについては、いずれまた。