にこたろう読書室の日乗

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0600 起床 気分快 雨 シチリア島とイタリア本土の間の海峡とメカジキの話。そして、「さんきゃくともえもん」とは?

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陸地に挟まれた狭い海のことを「海峡」と呼びますね。

この航空写真に写っているのは、右がイタリア半島、左がシチリア島

海の一番細い部分がメッシーナ海峡

 

 

地中海の中央に位置し、アフリカ・チュニジアにもほど近い夢のリゾート、シチリア島。そして、陽気に観光客をもてなす気質で知られる、南イタリア

その間を隔てる、幅3kmと比較的狭く、そして美しい海峡です。

行ったことはないけど。

 

メッシーナ海峡-左はカラブリア州、右はメッシーナとエトナのシチリア島。アトラス・ド・ブラウンとホーゲンベルグ

 

北から見た絵です。左はカラブリア州、右はメッシーナとエトナのシチリア島

 

(地図内の大橋はまだ有りません!)

 

両岸どちらも、現在はイタリア共和国に位置しますが、見た目の美しさ、華やかさからだけでは計り知れない、数奇な歴史に彩られています。

シチリア島を支配した国家は、ローマ、ギリシャカルタゴなど、歴史上、10カ国以上。

ひんぱんに入れ替わる支配者たちに対抗して、島民たちには、誇り高き独特の「シチリア人」意識と、叛骨精神が形成されていったのです。

 

 

イタリア共和国旗とは別にシチリア州の旗というのもあり、なんと紀元前からシチリアのシンボルとして使われているそうです。

膝を直角に曲げた足が3本、そしてその中央には何とも言えない表情の顔。日本の妖怪・輪入道をほうふつとさせる絵が描かれています。どうしてこのようなデザインになったのでしょうか?

 

10ヶ国にも及ぶ周辺諸国の争奪戦の舞台となり続ける中で、「それでも、自分たちはシチリア人だ!」という誇りを忘れないために、きっとこの旗をひそかに掲げたのでしょう。

 

この3本足を持つ顔は「トリナクリア」というシチリアのシンボル。

 

トリナクリアという語は三角を意味し、これはシチリア島の形を指しているとも、春夏秋の季節を表しているとも言われています。

真ん中の顔はギリシャ神話の女神メデューサで、シチリアの肥沃な大地を司っているといいます。

三脚巴の三本の足は、メッシーナ市を含む、シチリア島の主要な3つの都市を象徴しているともいわれます。

 

あと二つの町はどこかな。シチリア州の州都パレルモ(Palermo)、カターニア(Catania)、シラクーサ(Siracusa)あたりかな。

 

このような3本足の模様は「三脚巴(さんきゃくともえ)」「トリスケル」と呼ばれ、世界一危険なバイクレース「マン島TTレース」の開催地として知られるイギリス・マン島の旗にも、よろいを装着した3本足が描かれています。

 

画像

 

世界各地に見られるモチーフですが、なんとなくケルト起源なのかな。

輪廻転生をあらわすことがあるようです。

 

Wikiは以下のような説を挙げていますが、出典が明記されていないのです。(よくあること!)

 

三脚巴紋はミケーネ文明の容器、リュキア地域の鋳造硬貨、パンフィリア地域のスタテル(古代ギリシア銀貨)(アスペンドス、紀元前370年 - 紀元前330年)そしてピシディアなど多くの古代文化で見られる。四つ脚が結合したシンボル卍(テトラスケリオン、tetraskelion)は同様にアナトリア半島で知られている。

 

ハンドスピナー【トリスケル】 | 夢見るギロチン アングラ・オカルトジュエリー

このハンドスピナー、良いですね。

欲しいなあ。

 

 

シチリアの魚料理といえば。


まず思い浮かぶのが、メカジキのインヴォルティーニです。
あと、イワシのベッカフィーコ。

どちらもPicaPicaに行くようになってから覚えた言葉です。

Yukaさんのおかげです。

 

メカジキと言えば、メッシーナ
正確には、メッシーナ海峡のメカジキ漁が有名です。

メカジキ漁の拠点は、メッシーナの北にあるガンジッリGanzirriという漁村。

カラスのくちばしみたいな岬の、ほぼ先端付近の湖の近くの村ですね。

 

写真の説明はありません。

View 7

 

いまも、昔も、この海峡はメカジキ漁の聖地です。

 

この前、TVでドキュメントを観ました。

(超密着!世界の凄ワザキング・イタリア・シチリア島 スペシャル)

昔ながらの漁法でカジキを獲る漁師さんたちの物語。

 

シチリア島メッシーナ海峡でのカジキ銛漁。水彩画 1898 作: 無名の画家

 

メッシーナ海峡でのカジキ銛漁。水彩画 1898年。

 

ポセイドン(ネプチューン)の三叉鉾(トライデント)みたいな銛で、カジキを突くわけですね。

 

ギリシャ神話の神々を簡単解説 西洋美術鑑賞がもっと楽しくなる! | イロハニアート

 

カジキマグロ(メカジキ)、イタリア名はpesce spada(ペッシェ スパーダ)。

最近、PicaPicaでよく食べます。

シチリア料理では高級食材です。

 

独特な形の漁船、フェルーカ。

 

超密着!世界の“凄ワザ”キング~第六弾~ イタリア・シチリアSP編

 

中央に高い物見やぐらがそびえて、先端には、細長いタラップが突き出してます。

物身やぐらは、高さが20mぐらいあるんだそうです。

ここに登った見張りが、「メカジキいたよ」、と合図をしたら、漁師さんが銛を持ってタラップの先端に行って、メカジキと一対一の勝負をするわけですね。

ヘミングウェイの『老人と海』の世界みたい。

 

先の水彩画の時代も、規模は小さいけど同じやり方をしてますね。

伝統だなあ。

 

さて、そのメッシーナ海峡

ここに凄い橋を懸けるというプロジェクトが発動したそうです。

 

メッシーナ海峡大橋

全長5070メートル、主塔間距離3300メートル。

現在、世界最長の「明石海峡大橋」の約1.7倍です。

ギネス記録を一気に抜きさられますね!

 

 

イタリア本土とシチリア島を結ぶ吊り橋の完成予想図/Webuild Image Library

完成予想図

 

ていうか、じつは古代ギリシア時代から、ここに橋を懸けたいね、という計画はあったらしいのですが。

 

古代ローマ博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスの著書によると、イタリア本土とシチリア島の間にあるメッシーナ海峡に橋を架ける夢は、古代ローマ時代までさかのぼる。

紀元前252年に古代ローマの執政官メテッルスは、樽と木を組み合わせて橋を作り、100頭の戦象をカルタゴからローマに移動させたという。

それ以来、トンネルの建設など、さまざまな計画が浮上しては消えて行った。

 

運輸省に提出された計画によると、このプロジェクトにかかる費用は、橋の建設に45億ユーロ(約7000億円)、さらに道路や鉄道の改良工事やターミナルの建設など、橋の両側のインフラ整備に67億5000万ユーロかかるという。

またイタリア財務省によると、1965年以来、橋建設の実現可能性調査に12億ユーロもの公的資金が費やされたという。

「橋を建設するよりしない方がコストがかかる」というのがマッテオ・サルビーニ運輸相の主張。

 

イタリア政府は経済的効果を主張していますが、旅行時間は15分しか短縮されないとしてコスパの面で市民は反対中?

 

果たしてどうなるのかな。

 

なんといってもシチリアでは、「メッシーナ海峡に橋が架かるとき」というのは、ぜったいに起こらないことの譬えだそうですからね!

 

不安要素はいろいろあるそうです。

 

➀地理的要因 断層が地下にあって地震津波が心配、火山が近い、海流が強すぎる

 

②マフィアの反対 いろいろ利権とかがからんでいる

 

③環境と生物への悪影響 マッコウクジラがとくに心配

 

④財政面 上記のごとく経費が莫大

 

しばらく気にして、見ていましょう。