血圧値 128/85/74 酸素飽和度 98% 体温 36.3℃ 体重 68.1キロ
小澤征爾さんが亡くなったり、能登の大地震でたくさんの人が亡くなったり、あわや飛行機事故でたくさんの被害が出そうになったり。世界各地で戦争級の殺し合いが収まる気配がなかったり。
新年早々、「死」の影がそこかしこにうごめいている今日この頃。
読んだわけではないのですが。
とても気になっている本があります。
DIE WITH ZERO(ダイ・ウィズ・ゼロ)は、2020年にBill Perkins(ビル・パーキンス)によって公開されたお金をテーマにした書籍です。
直訳すると「ゼロで死ね」。
ざっくりいうと資産をゼロにして死にましょうという主張を説いている本です。
老後の資金のために十分お金を貯めていないと、引退したくても仕事を辞められないという事態になりかねない。しかし、必要以上に貯蓄するのも同様に問題だと、ビル・パーキンス氏は主張する。
老後のために十分な貯金がないと大変なことになるが、必要以上に貯蓄するのも問題だ。
貯蓄を重視しすぎていると、若いうちしかできない経験をする機会を逃してしまう。
長時間働いて貯めたお金も結局、効率的に使えないまま終わる可能性もある。
老後の資産について、ほとんどの人が手を付けずに人生を終えているというデータがあるそうです。
☆
2年前に僕が救急搬送されて、集中治療室のベッドの上で考えたことは、まさにこのことでした。(脳幹出血でしたが、意識はありました)
そうなんです、このまま死んでしまった場合どうなるかな、ということをいろいろ考えました。
一人暮らしのマンションのリビングには、まだ散骨ができていない(コロナ禍の制約があったため)家内の骨壺がある。
台所の生ごみを捨てていない。
そもそも、マンションの部屋には鍵がないと誰も入れない。
もうすぐ学年末試験のある、教員としての仕事上の責任。
そして、たいした額の預金があるわけではないけれど、それでも多少の資産(持ち家を含めて)があっても、もう自分にとってはなんにも役に立たないんだなあ、という残念な、というか虚しい気持ち。
ほんと、あの世にはお財布を持っていくことはできません。
そして、幸運にも命を取り戻して、たった独りの暮らしに生還した日。
ものの考え方が大きく変わりました。
人は、死=終わりを意識することで、ようやく、今何ができるか、今何をすべきかを真剣に考えるようになる。
自分が死ぬまでに、何をどのようにしたいのか。
人生の大きな仕事は、思い出づくりである。
思い出を早く作ろう、生きているうちに。
将来のお金の不安を過大視しないようにしよう。
健康を最優先にしよう。
やりたいことを、経験を豊かにしてくれることを追求しよう。
そもそも、人生の最期までお金をとっておくというのは本末転倒なのだ。
将来に貯蓄するよりも今の自分にお金を使おう。
無駄遣いをするわけではなく、経験(あとどのくらい残り時間があるかはわかりませんが)に投資するようにしよう。
PicaPicaのシチリア料理をたくさん食べよう(これはちょっと違うのかな?)。
楽しい時間は貯金され、複利効果で人生を豊かにする。
今を楽しむ、今しかできないことをする。
「今しかできない」ことは「今やらなければならないこと」だと気がつくこと。
目の前の1冊の本を読もう。
あの人に、今すぐ会いに行こう。
明日の朝、旅に出よう。
このブログに、僕が毎日書いていることは、そういうことなのです。