にこたろう読書室の日乗

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0600 起床 気分快 晴 【3Dパズル ホグワーツ城を造る】⑤ 全般に関わる話題。建築プランの変遷について。

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ホグワーツ城というのは、映画で垣間見る限り、とても複雑なシルエットを持っています。

 

新入生が列車で到着して、初めて見る風景は、こんな感じ。

 

 

しかし、作者のJ・K・ローリングの頭の中では、はっきりとした、理屈に合った建物としてのイメージで構築されていたらしい。

 

映画化のプロデューサーであるスチュアート・クレイグが、撮影準備中に女史にいろいろ質問すると、じつに事細かに、地図や略図を描きながら、とうとうと解説してくれたそうです。(『映画『ハリー・ポッター』シリーズ 公式美術設定&図面集』・「はじめに」)

 

それを踏まえて、映画も、ゲームも、パズルも、良質な仕事は、この建物についてそれなりの整合性を持った表現をしようとしています。

 

けっして魔法で一夜にして建てた、荒唐無稽な代物ではない。

 

設定としては、4人の魔法使いとマグル(魔法を持たない普通の人間)が、当時(紀元10世紀のおわりくらい?)の技術で、アナログで建築した中世城郭なのです。

 

映像化されたディテールとしては、外観の多くは国際ゴシック(優美なフランスゴシックとイタリアの細部にまでこだわった描写が混ざりあった同じスタイルの作品。)と呼ばれる様式。内部はゴシック様式とゴシックリバイバルという様式(18世紀後半から19世紀にかけて興ったゴシック建築の復興運動。ネオ・ゴシック建築(Neo-Gothic architecture)とも呼ばれる。)が複合しています。

いろいろ折衷されている感じ。

 

まあ随所に、運営や防御の魔法がかけられている、ということはありますが。

 

ただし、ローリングは、小説の巻数が進むにつれて、建物の大幅な改・増築をしたり、いくつかの思い違いをしたりしているため、「この描写はどの時点でのホグワーツなのか」、という問題は気をつけている必要があります。

 

最初の映画化がされたとき、小説はまだ第2巻以降が刊行されていなかったわけですから。

 

 

見た目、大きく変わっているのは、グレートホール(ホグワーツ大広間)の正面に、長い橋が掛けられて、湖の対岸までつながった、という点。

 

 

ワーナー ブラザース スタジオツアー」の1/24大型模型。

初期ではこのように切り立った崖ですが。

 

 

これはロンドンにあるホワイトモデルです。

立派な橋が架かっていますね。

これがあれば、新入生はもうボートで上陸する必要はなくなりますが、要塞としてのセキュリティは危ぶまれるのではないかな。

 

細かいことですが、もう一つ挙げると。

 

『アズカバンの囚人』からは、グリフィンドール談話室がホグワーツ大広間の隣の大きな塔(動く階段の塔)に変更になっている点。

 

初めは「動く階段の塔」の対角線上の小さな塔が「グリフィンドール塔」でした。

 

これは談話室の入口の『太ったレディ』が、動く階段の途中に出現(設置)されていることから分かります。

「談話室」が手狭になってきたのでしょうか。

 

 

ほかにもいろいろありますが、また別の機会に。