血圧値 117/81/88 酸素飽和度98 % 体温 36.4℃ 体重 69.0キロ
日にちが変わってしまったので、前日の項目をリライトするのでなく、新規に書きましょう。
コクーンは中島みゆきの『夜会』で数回来たことがありましたが、トルストイは、今回が初めて。
ちょっと小さな箱ですが、雰囲気はヨーロッパの歌劇場みたいで、良い感じですね。
宮沢りえさん、小日向さん、善さん、さすがの好演。拍手。
平日のマチネにもかかわらず、席は満席。盛況。
大きく動き始める19世紀末の激動の「時代」に、せめぎ合う「人間」の物語。
トルストイの「古典」を、「現代」にいかに蘇らせるか、という大事業にイギリスの演出家フィリップ・ブリーンが新たな解釈で戯曲化し演出する舞台。
約3時間45分の上演時間は、休憩ありの長大なものですが、幕を下ろさないスピーディーで斬新な場面展開で、飽きさせないのは、見事。
東京公演は3月19日まで行われ、その後、大阪でも上演されるそうです。お疲れ様。
二人のカレーニン、二人のアンナ、都会と農村。
葛藤する二つの世界を軸に展開する、愛と憎しみと、喜びと悲しみ、希望と絶望、光と影。
物語は、二つの相反するイメージが絡み合い、明滅しながら結末に向かって爆走します。
文明の進化の象徴の、電灯や蒸気機関車が、効果的な使われ方をします。
この辺りの演出が、新鮮。
舞台はドールハウスや玩具が所狭しと置かれ、俳優たちが登場を待つ楽屋も兼ねる。
俳優たちは自身で椅子や道具を動かしながら、アンナの噂をする貴族たち、駅の雑踏を行き交う人々、村の祭りで陽気に騒ぐ農民など、さまざまな人物に扮していく。
終始、ピアノ・コントラバス・ヴィオラ(ヴァイオリンより深い低音まで扱えるので効果的)の生演奏の音楽が奏でられるなか、部屋の片隅で大人たちの言動をひっそりと見ているのは、息子セリョージャ。
彼の玩具の汽車が、のちのアンナの運命を不気味に暗示しています。
アンナの背後に何度も現れるのは、得体の知れない赤い頭巾の花売りの老婆。
ロシア語で幕の上にプロジェクター投影される「死」を意味するロシア語とともに、作品に流れる「死」のモチーフのひとつです。
この長大な原作は、登場人物の把握も大変ですが、こんな感じ。
【小説】アンナ・カレーニナ/トルストイ #2255 | 悠人・しのぶの俳句日記
概要をおさらいしたい場合は、これかな。
いろいろ、考えさせられることが多かったのですが、尺が長くなるので、その辺はまた別の機会に。
渋谷~恵比寿と、ダイニングバーを廻って、帰ってきました。
とても充実の一日。