血圧値 130/86/70 酸素飽和度 98% 体温 36.4℃ 体重 69.8キロ
このキャラクターの名前は?
「せんとくん」。漢字で書くと「遷都くん」。
デビュー当初、とても不評で、キモいなどと言われましたが、だんだん見慣れてきたのか、変に人気が出たりしました。今はけっこう認知されてます。
こんな感じ。
鹿の角が生えた童子の姿をしているせんとくんは、平成22年に開かれた「せんとくんは「平城遷都1300年祭」の公式マスコットとして、20年2月12日に産声を上げた。
童子にシカの角が生えたキャラは一部で不評を買い、一時は「まんとくん」などの対抗キャラも現れた。しかし、メディアで何度も取り上げられるうちに知名度が上がり、せんとくんを見るため奈良を訪れる人も出るなど人気者に。
23年には観光PRキャラクターとして県職員に採用され、荒井正吾知事も「課長級」のお墨付きを与えている。
さて。
「遷都」は、都を他所へうつす(遷す)こと、都を替えることを意味する言葉ですね。日本語では古くは都遷り/都移り(みやこうつり)とも言ったそうです。
天智天皇から数えて、こんなにある。
この「遷都」という行為、もの凄く手間もお金も時間もかかることなのに、なぜやったのでしょう。
とくに聖武天皇は何かに憑かれたように、生涯に何度も繰り返しました。
この前、平城宮祉を見に行ったとき解説文と展示があったのですが、聖武は遷都の時、旧都の建物の材料とか瓦とかいろいろ持って行って、次の都を建てたそうです。
まあ、リサイクル。ゼロから建てるより経済的。
でもこれは大変な手間です。なんといっても大きな建物の柱を引っこ抜いて持って行くわけですから。人手も資金もかかる。
しかも元の都のあったところは荒れ地になってしまうのですからね。
一周廻って、また平城京に戻ったとき、前に宮城があった場所は別の建物に占拠されていたので、新しい大極殿は横にずらさざるをえなかったのです。
なので大極殿院はこんなふうに第一次・第二次エリアに分かれている。
「教科書的」な、遷都の理由は、こんな感じ。
①政治的な安定と支配強化:支配者が政治的な中心地を移すことで、その権力を強化する手段となります。新たな首都においては、政治的な機構や行政組織が再構築され、支配の効率と統制が向上します。
②防衛と安全:古代の都市は、地理的条件や戦略上の要素に基づいて建設されることがありました。敵対勢力や略奪者からの攻撃を避けるため、新たな首都が安全な地域に建設されることがありました。
③地理的な要因:気候条件や地理的な利点は、都市の選定に影響を与えることがあります。例えば、水源の近くや交通の便が良い場所など、生活や経済の利便性を高める地域が新たな首都の選定基準になることがあります。
④経済的な要素:新たな首都には、商業や交易の拠点が形成され、産業や経済活動が活発化することが期待されます。
⑤文化的な要素:芸術や文化の保護・発展、宗教的な中心地の形成など、文化的な要素が遷都の理由となることがあります。
そうなんだろうと思いますが、さらに人類の感情の奥深くに、「遷都の欲求」のようなものがあるのではないか、という気がします。
理屈ではない何か。
都市が移れば、あらゆる聖地・神域も移ります。
これは簡単にやってよいことではないがゆえに、大きな理由を含んでいるのではないでしょうか。