にこたろう読書室の日乗

死なないうちは生きている。手のひらは太陽に!

0600 起床 気分快 晴 超未来「ミロクの世」について考えよう。

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この前「近・未来」を取りあげましたので、今回は「超・未来」、「ミロクの世」について考えてみましょう。

 

ミロクとは「弥勒」。

 

教科書に載ってる仏像で有名な「弥勒菩薩」は、梵語マイトレーヤ釈迦牟尼仏の次の仏様として、遠い未来に仏陀如来)になる予定の人です。

今は兜率天で修行・瞑想中。なので、菩薩とされてます。

基礎となる仏典はこの4つ。

 

『観弥勒菩薩上生兜率天経』
弥勒下生経』
弥勒大成仏経』
仏説無量寿経

 

「上生」というのは、兜率天に転生してそこで教えを受ける、という意味で、「下生」というのは降臨した弥勒如来から教えを受ける、という意味ですね。

このイメージは、多分に東アジア文化圏的な解釈だと思いますが。

これは現代の解釈かな。脚の組み方が交脚なのは中国風のスタイル。

 

 

弥勒菩薩といえば、この人。

中学校の修学旅行で観ましたね!

広隆寺弥勒菩薩像。

こっちは中宮寺弥勒菩薩像。(お寺では如意輪観音と判定しているかもですが。如意輪観音も思惟像で造形される場合があるので、ややこしい。中宮寺説はこれです。仏様の外見の造形を定義する経典があって儀軌といいます。仏像のデザインやフォルムはかなり厳格に定められていて、不自由でもあるのです。)

 

良く試験に出ますが、頭の上の帽子と髷の違いで判定します。

 

お寺では、次のように説明していますね。

 

学者間では、この像の顔の優しさを評して、数少い「古典的微笑(アルカイックスマイル)」の典型として高く評価され、エジプトのスフィンクスレオナルド・ダ・ヴィンチ作のモナリザと並んで「世界の三つの微笑像」とも呼ばれております。

 

三大微笑なのか!(スフィンクスって笑ってるのかな?)

 

これは、ちょっと違うか!

 

弥勒菩薩といえば、考える人スタイル(半跏思惟像と呼びます。これも試験必出。漢字で書けるかな?)が特徴的ですね。

自分が如来となって降臨した時に、どうやって世界を救うか、考え中。

左手は降魔印といって、悪魔の誘惑を鎮めている姿勢。

 

この背景には、「末法思想」という、右下がりの終末論風のイメージが存在します。

 

お釈迦様(ゴータマ・シッダールタ)の居る世界はユートピアだったけど、彼は80歳で亡くなってしまう。

その後、仏・法・僧という3セットアイテムが、順番に消滅していって、ついにこの世は末法という暗黒の世界、ディストピアに突入する。

 


末法対策としていろいろなアイデアが考案されますが、その一つが、ミロクの世の到来を待望する、というものです。

 

次の時代の如来(仏)である弥勒如来が降臨するのですが、今はまだ兜率天という上空遥か彼方にあるネクストバッターズサークルみたいなところで、菩薩として修業中なのです。

 

仏教の世界観では、「浄土」という概念は、何となく水平方向(東・西・南・北)に設置されているという傾向があるので、この兜率天が垂直方向にあるというのは、ちょっと異質な雰囲気がします。何か西方系の文化要素を反映・継承しているのであろうか?

 

しかも、瞬時に釈迦とタッチ交代するわけではない。

 

経典によれば、なんと56億7千万年後!

 

釈迦如来が入滅したあとの、末法の世という、かなり厳しく不利な状況の世界に降臨することになっているので、その世界をどう救いに導くかという難しい方略についていろいろ思案しています。時間もかかるのでしょう。

 

一つ気になるのは、56億7千万年後に、この世界はあるのか?という問題。

こんな観測があるのです。

 

この前触れた学習雑誌『科学』『学習』に掲載された内容を転載。

なるほど、わかりやすい表現ですね。

 

地球は金属と岩でできていますから、これが簡単に爆発することなど絶対にありません。たとえこのまま環境破壊が続いたり、また核戦争などによって、人間の方がほろびたとしても、地球はまったく関係なく、同じようにこの宇宙に存在し、同じように太陽のまわりを回っていることでしょう。
ところが、地球が宇宙からなくなる日は必ずやってくるようです。
いまから50億年後には太陽が死んでしまうといわれています。太陽は死ぬと小さな青白い星になるのですが、その前に、今よりかなり大きくなります。そのとき巨大化した太陽は、地球を飲のみこんで、あとかたもなくとかしてしまうでしょう。その時点で地球はこの宇宙から消えてなくなると考えられているのです。
このことから、地球の命はあと50億年であると考えられています。

これはちょっとまずい。

弥勒の降臨する世界がすでにないかも。ギリギリかな。推測誤差もあるだろうし。

経典が50億年という近似した数値を偶然示しているのも、なかなか興味深いですけどね。

 

このテーマは、また取りあげます。