血圧値 127/88/67 酸素飽和度 98% 体温 36.0℃ 体重 69.1キロ
昔の同僚が亡くなったりして、ここのところ人の死というものをいっそう身近に感じることがあります。
突然ですが、この漫画を思い出しました。
近未来の三浦半島を舞台に、文明が崩壊して衰退する人類をゆったり描く『ヨコハマ買い出し紀行』という漫画です。
読んだ人、いるかな?
0600 起床 気分並 晴 『ヨコ買い』について。せつなくて優しい読後感。三浦は晩年(ていうか、今がそうかな)に住んでも良いなあ。 - にこたろう読書室の日乗
ジャンルは、ライトなSFなのかな。
ちょっと説明しにくいのですが。
でも、なぜかこれは泣ける。
『ヨコハマ買い出し紀行』は、芦奈野ひとしによる日本の漫画作品。
『月刊アフタヌーン』において1994年から2006年まで連載された。
単行本全14巻、新装版全10巻。
著者: 芦奈野ひとし
出版社: 講談社
閑古鳥の鳴くカフェを経営しながら、出掛けたまま帰ってこないオーナーを待ち続けるロボットの主人公アルファ。
見た目は人間と同じで、まったくロボットだとはわからない。
感情の機微もあり最初から人間らしい彼女が、長い時間を過ごすことで成長し「ロボットだから分かる人間的な辛さ」を感じていく。
舞台は温暖化による海面上昇で水没した日本。
人類には新しい技術を生み出す力はもうなく、昔の物を修理して使っているような世界。
少なくなった陸地に少なくなった人類が肩を寄せ合って生きている。
ゆっくりと滅んでゆく世界を、淡々と、しずかに描きます。
ディストピアとしての悲壮感はない。
これといった事件も起きない。
過去の科学文明の残照。
抒情詩のような文体。
『Horizon Zero Dawn ホライゾンゼロドーン』みたいに、機械獣なんか出てきません。
夏のほの明るい夕暮れの海辺、みたいな世界観。
連載は終始優しい雰囲気で進んでいきますが、ところどころに終末を感じさせる部分があります。
陸地は着実に沈んでゆくし、限りある生命は、徐々に死んでゆく。
それでも、終わりは悲しいお話ではなく、切なくて優しい読後感。
「死なない人」として視る「いのち」というものの、儚さ。美しさ。やるせなさ。
生きることって、何だろう。
僕も、この歳になると、身近な人の、あるいはそれほど親しくない人達の「死」に向き合うこともしばしば。
自分だって、死にそうになったしね。
「死」なんて想像の外だった子どもの頃。
それでいて無性に怖かった「死」。
いまや、そう遠くない自分の死を、知っている僕。
三崎のカフェを訪れて、アルファさんに会いたいな。
どんな話を、しようかな。
なぜかそういうことを、思い出させてくれる「物語」。
ムサシノ運送・世田谷支店で「おてもと便」係として働いていて、電動スクーターで配達をしているココネさんも可愛い。(この子もロボットです)
機会があったら、手に取って読んでみてください。