血圧値 114/82/69 酸素飽和度 98% 体温 36.4℃ 体重 67.8キロ
令和6年能登半島地震。
【速報中 被害状況】
石川県内で57超人死亡確認(現在これは確認されているだけ)、避難1万人強(当初)。
火事、倒壊、罹災、重軽症者多数、精神的ダメージ、インフラダメージ、文化遺産の崩壊。
4000から5000世帯は自宅に住むことができない状況。
輪島市が西に約1.3メートル移動、穴水市も1メートル動く。
こちらは輪島市河井町朝市通りで、輪島の観光名所になっています。
1000年以上続く朝市で、路上でおかあさんたちが魚を売ったり輪島塗を売ったりしていたような、輪島市の中心部になります。観光名所なのですが、その面影は全くありません。
まるで戦場のような状況。
ハルキウか、ガザか、という錯覚を覚えるほどですが、あちらはこれが毎日の日常です。
能登の被災地に支援物資を運ぼうとした海保機は、日航機定期便と滑走路上で衝突。
日航機の乗員12人と乗客は乳児8人を含む367人が乗っていたが、全員脱出。
海保機乗組員は5人が死亡。機長は脱出して重症。
なんということだ。
2024年は世界の底が抜ける年になる予感。
新年早々、これはなにかがおかしい。
あの宇宙の時計は、おおきく狂ってしまっているのでしょうか。
そして、僕たちのいのちの砂時計も。
☆
こういう事態を目の当たりにすると、考えます。
なぜカタストロフィー(catastrophe)は起きるのか。
「カタストロフィー=大惨事」と約しますが、これはもう少し奥の深い言葉です。
「カタストロフィー」とは、突然の大災害や悲劇的な出来事を指す言葉である。
自然災害や事故、戦争など、予期せぬ悲惨な状況を引き起こす出来事を表現する際に用いられる。
また、比喩的に人間関係や経済などの分野で、破局的な状況を指すこともある。
「カタストロフィー」の語源は、古代ギリシャ語の「καταστροφή(katastrophē)」である。
これは、「κατά(kata)」が「下に」、「στροφή(strophē)」が「転換」を意味し、合わせて「下に転換する」という意味となる。
古代ギリシャの悲劇では、物語の終わりに主人公が破滅することを指していたが、現代では広く様々な分野で用いられるようになった。
大変な事態が起こると、「なぜそれは起きたのか」について近代科学は納得のいく説明をしようとします。
それは確かに自然な行動です。
ただ、なぜ急に、なぜそこで起きるのか、という疑問を十全に説明できるわけではない。
大昔、たしか『カタストロフィーの理論』という本を読んだのです。
学生のころだなあ。
この本、今の僕の書架には見当たらない。
どこへ行っちゃったのかな。
その中に、カタストロフィーの理屈をモデル化した、おもちゃのようなものをこしらえる方法が書いてあり、僕は実際に作ってみたことがあります。
今調べると、これは「ジーマンの機械」と呼ばれるものらしい。
ぐるぐる回る円盤があって、支点があって、それをゴムひもでつないだだけのものです。このゴムひもの先を動かしてみると、しばらくは何も起こらないけど、ある段階にさしかかると、円盤がグルッとジャンプするわけです。
このゴムひもの先を右から左へ動かすときと、左から右へ動かすときとでは円盤がジャンプするポイントが違う。つまり過去の履歴に影響されるわけです。
円盤が現象空間で、ゴムひもの先が制御空間になっているわけです。
ネットを調べると、次のような解説が、分かりやすいような気がする。
(あくまで、気がする、だけ)
水の沸騰するまでのようすを思い描いてみよう。
温度計を入れて水温を測りつつ水の状態の変化を観察してみると、沸騰点に近づくまでは水の状態はほとんど変化しないが、ある温度に達すると、それまでの温度変化に比べると、ほんのわずかの変化によって水の状態は液体から気体へと急変する。
このように現象の状態を規定している条件(既述の例では温度)のわずかな変化が、状態を一変させる場合を、カタストロフィーとよぶ。
カタストロフィーの理論(カタストローフ理論ともよぶ)は、20世紀初頭にポアンカレによって創始された力学系のトポロジー的理論を用いて、このような現象の不連続的な変化をモデル化するものであり、とくに生物学への応用に力点を置いて提唱された。
フランスのトポロジストのR・トムは、1960年代からトポロジーとくに写像の特異点の理論、およびその数学以外の対象(とくに生物)への応用を目ざしてカタストロフィー理論を構築し、1972年に『構造安定性と形態形成』を刊行したが、この本こそ今日のカタストロフィーの理論の誕生を告げるものである。
トムと並んでイギリス人のクリストファー・ジーマンが、とくにその応用面で活躍し、人文科学への応用についてもいろいろ考察している。
カタストロフィーの理論(かたすとろふぃーのりろん)とは? 意味や使い方 - コトバンク
もうひとつ、こっちの譬えのほうが、分かりやすいのかな。
韓国のことわざに「泣く子は餅を一つ余計もらえる。」 というのがある。
「子」という「好意的」にとらえられる状況で「泣く」という圧力をかければ餅をもらえるという行動は餅1個分上昇位置に移動するのである。
それでは「たくさん泣けば餅10個もらえるか?」と考えてみるとそうではないことが分かる。
本来は圧力などかけなくても餅10個もらえるように自分を磨き餅10個貰うのが正しい。
圧力のみだとだんだん嫌われて、ある所で判断が「好意的には判断出来なくなり」一気に落下(破局=カタストロフィー)するのである。
つまり、「カタストロフィー理論」とは、連続的な変化が突然の変化に移行する現象を数学的に解析する理論である。
トムは特異点の様相を分類した。
その結果、二次元の曲面を移したときの折り目のうち構造安定なものは7種類しかないことを予想し、アメリカのJ.N.マザーがこれを証明した。
特に有名なのは図の射影で、カスプ特異点(cusp singularity)という。
これにより、変数が連続的に変化したときに結果がジャンプする現象を説明しやすくなることがある。
この理論では、こういう下敷きをくにゃっと折り曲げたようなグラフで説明をしようとします。
アメリカの数学者、ハスラー・ホイットニー(Hassler Whitney)が、その論文『平面から平面への写像』のなかで証明した、次のような定理がある。
「曲線から平面への滑らかな写像は、すべて適当に微小な変形をすることによって、その特異点が折り目とひだ(尖点、カスプ)だけになるような写像にすることができる」
これによって、特異点理論が急速に発展することになった。
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戦争・災害・厄災。
世のなかの不条理な事象を、理屈で解き明かそうとする情熱。
あまりよく分からないけど、昔から僕の記憶の中で、ずっと気になっているテーマの一つです。