血圧値 113/75/78 酸素飽和度 98% 体温 36.5℃ 体重 67.2キロ
昨晩は渋谷でちょっとお酒を呑みましたが、今朝はバイタルも気分も良い感じです😃
さて。昨日のクイズの解答ですが。
面白いマグカップがあります。
ガラスのほうはマグじゃないのかな。ハイボール用か。
ここに書いてある言葉、「ラテン語:Festina lente フェスティナ・レンテ」。
Festinaは「早く、急いで」 lenteは「遅く、ゆっくりと」、だから「ゆっくり急げ」!
ヨーロッパで古くから用いられている格言で、「良い結果により早く至るためにはゆっくり行くのが良い」、または「歩みが遅すぎても求める結果は得られない」を同時に意味する言葉。
英語にも "Make haste slowly." (ゆっくり急げ)の諺があり、しばしば「フェスティナ・レンテ」の訳として用いられるらしい。
昨日の図案。
ちなみに、このお洒落なサコッシュは、北国のセンスの良いお店の作品です。
「カタツムリの殻にはいる野兎」
ゆっくり歩くカタツムリと素早く走る兎。それが一体化している姿。キメラか?
これはヨーロッパでいろいろな形で伝わる「フェスティナ・レンテ」を示すであろう不思議な図案の一つなのです。日本にも「ウサギと亀」ってありますね。
ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥス(オクタヴィアヌス、自らは皇帝とは名乗っていないけど)が造らせた(これはちょっと怪しい説だそうです)金貨のひとつに、裏面が蝶に捉まる蟹の図案になっているものがあり、その他にも「錨にからみつくイルカ」「蝸牛の殻にはいる野兎」「カメレオンと魚」「ダイヤの指輪と葉」、またコジモ1世の「背に帆を張った亀」]などいろいろあります。
語源ははっきりしていなくて、こんな感じ。
古くから多くの文人・著名人が座右の銘にしてきたと言われるが、アウグストゥスを除けば、明確な出典があるものはごくわずかである。
スエトニウスの『皇帝伝』によれば、アウグストゥスは軍事的な指導者が性急さを持つことを嫌い、次の3つの格言を愛好していた。すなわち「ゆっくり急げ」「大胆な指揮官よりは慎重な指揮官のほうがましだ」「立派にできたのであれば、それは十分早くできたことになる」。
「フェスティナ・レンテ」、焦る必要はありませんが、急いだほうが良い、ということがだんだん増えてくる年代に、僕たちは踏み込んでいるのだと思います。
僕は今回死にかけて、気がつきました!
もっとかっこいい翻訳を思いついた人がいます。
あのマグカップを見てください。
開高健。
「悠々として急げ」
これは対談集のタイトルですが、開高健の座右の銘であり、人生の指標でもありました。
茅ケ崎の開高健記念館の庭にも、これがありますね。
ただ一度の今日のいのちを、無駄に逃すことのないように、いそいで、しかも落ち着いて。
前に触れた 「Carpe diem、カルペ・ディエム」(その日を摘め)という言葉と深く呼応して、今の僕の気持ちにすんなりと入って来ます。
開高健 1989年12月9日、食道癌に肺炎を併発して逝去。享年58歳。
僕はもう、開高さんより5年も長生きしてしまったのですね。
生きるということは、先に亡くなったかたの、いのちの時間を受け継ぐことなのだと思います。
僕はこれから、なにができるでしょうか。