にこたろう読書室の日乗

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0600 起床 気分快 晴 「摩耶」を巡る、あるふたつの運命について① 庵野のスケッチ

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火垂るの墓』に登場する重巡洋艦「摩耶」を巡る、あるふたつの運命について。

その一つ目のエピソード。

 

①せっかく詳細に描いた庵野のスケッチの運命

 


この場面は、アニメの作中で、観艦式の「摩耶」であるとされてます。

なんだか真っ暗で、よく分かりませんが。

火垂るの墓』で最も印象的なシーンの一つが、この清太の記憶に蘇る神戸港での観艦式です。

 

観艦式(かんかんしき)とは、軍事パレードのひとつで、軍艦を並べて壮行する式のことである。国家の祝典の際や、海軍の記念行事の一環として行なわれるのが一般的である。現代では水上艦や潜水艦だけでなく海軍航空隊の航空機も参加することが多い。

 

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上の絵を見ると夜の光景ですが、普通、観艦式は夜間に行われることはないので、停泊中の夜の場面でしょう。

高畑勲監督に「ホタルのように美しい光の点滅を描きたい」という意向があったのかもしれません。

 

このシルエットの原画を描いたのが若き日の庵野秀明。当時20代。

 

庵野秀明さん(2014年撮影)時事通信フォト

 

TVアニメ『超時空要塞マクロス』(1982〜83年)の作画に参加したほか、宮﨑駿監督の『風の谷のナウシカ』(1984年)の巨神兵の原画に抜擢されるなど新進気鋭のアニメーターとして、頭角を現していました。

そして『火垂るの墓』でも作画スタッフとして参加。日本海軍の重巡洋艦「摩耶」の原画を手掛けました。

 

こういういきさつが、あったそうです。


「高畑アニメは全然難しかったですね。一カ月ぐらいプレッシャーだけで、とても描けなかった。宮さんはもっと気楽にできたんですけど、高畑さんは厳しかったですね。正座してやんなきゃいかんなと。まず船の資料を集めるところからです」
 
「昔の資料を集めて、どこまで描けるか。そういう意味では、ラッタルの数まで合わせたんですけれども、できあがったフィルムを見たら、なんと真っ黒(笑)」
  
「ラッタルとか。手すりの数まで合わせたんです。可能な限り時代考証に合わせようと。苦労したのにな、チクショウ」
  
「満艦飾にライトが点いてて真っ黒はないですよね(笑)」

 

庵野秀明が、出来るだけ史実に則って描写することを求められ、舷窓の数やラッタルの段数まで正確に描いたという原画がこれ。

模型と比べても、見事な表現でしたね。(模型は改装後なので詳細は少し異なります)

 

 

 

完成した映画ではすべて影として塗り潰され、庵野の努力は徒労に終わったのです。

 

 

でも、画像を取り込んでコントラストを調整すれば、このように細部がちゃんと描かれていることが分かるのですが、劇場で動画を観ている時点では、これは無理ですからね!

残念。

 

後に「新世紀エヴァンゲリオン」の監督として名を馳せる庵野秀明が、「摩耶」の細部まで精密に描いていたという事実は、制作陣の作品への真摯な姿勢を物語っています。

 

 

この、神戸観艦式がいつのものなのか、そしてお父様の運命は、という謎については次号にて考えます。