血圧値 124/87/84 酸素飽和度 99% 体温 36.2℃ 体重 67.3キロ
毎日、ほんとに良いお天気ですね。
最近の「言葉」から。
藤井「結果そのものより内容が大事だと思います。昨年と違った景色を見られるように頑張りたい。それは、棋譜に表われる指し手だけでなく、自分の読みや考えを含めた景色のことです」
羽生「年齢差があっても、将棋の世界では同じ土俵で戦えます。まずは対局にうまくなじみ、長年の経験値を生かして戦いたい。内容のあるものを残すことが大事だと思います」
両者に共通することは、「内容の大事さ」だった。
2023年初頭の大勝負は、藤井聡太王将(20=竜王・王位・叡王・棋聖を含めて五冠)に羽生善治九段(52)が挑戦している、第72期ALSOK杯王将戦七番勝負。
結果は、超名勝負の末、藤井王将の勝ち。
勝負について、将棋について、いろいろ考えさせられる、とても印象的な対局でした。
ちょっと細かいところを言うと、中盤で藤井さんが6筋の歩を巧妙にただ捨てして66桂を打った、不思議な手筋。
これが絶妙な勝因で、その他のプロ棋士は誰も気がつかないのだけど、コンピュータAIは第1候補だったのです。それを藤井さんは瞬時に選択。
問題は、この局面を藤井さんはいったい何手前から想定していたのか?
これでは、並の「人間」は、藤井さんに勝てるわけがありません。残念!
ただ、羽生さんも(並の人間ではいので)緩手なしの完璧な進行だから、この1局は文句なしに名局なのです。
もはや、勝敗はどちらでも良い。(といってしまってはいけないのかな。)
あの美しい投了図を、おそらくお二人の暗黙の了解のうちに造り上げた最終盤。
もはや芸術的だなあ。
将棋史上におそらく永遠に残る、夢の頂上決戦。
でも、まだまだこれからです。
ご存じ両者のプロフィールは、こんな感じ。
【第72期ALSOK杯王将戦7番勝負・第2局以降の日程】
◆第4局 2月9・10日 東京都立川市「SORANO HOTEL」
単に勝ち負けを決めるだけなら、じゃんけんでも良い。
そこに人間同士の、精神のドラマを観たい。
ゲームとしての「将棋」の面白さを体験したい。
たしかに、僕もそう思います。
(最近の僕は、ほぼ実戦がないけど。)
ただ、「将棋」というゲームの本質にかかわる、危惧というか命運の帰着のようなものが見え隠れしてきていること。
そしてその打開というか決着の可能性が、この王将戦の今後の流れの中に、見えてくるかもしれません。
これについては、以前に書きました。
0530 起床 気分快 晴 もう、晩秋というのかな。勝負の世界に絶対はない?、という話。 - にこたろう読書室の日乗
もう一度、整理しておくと。
①コンピュータAIの発達により、もう人間は機械に勝てないのではないか、という可能性が具現化。(チェスとか囲碁とか連珠とか、決定勝負とされるゲームはみな同じ運命ですね。)
②「藤井さん」の出現で、コンピュータに将棋を教えられる人間が出現。(拍手!)
③「藤井さん」に当たれば、将棋は負け、という状態に。(いまここ!)
④藤井級に「強い人」がこれからどんどん育てば、なにが起こるのか?(既定路線)
⑤将棋は、後手を引けば負け。(相居飛車・相がかりを追求すると先手必勝になる可能性が、かなり浮上しています。チェスの現状に近いと思う。振りゴマで勝負が決まるなら、プロ棋戦は成り立たないでしょう。)
⑥環境を整備(先手後手のハンデ調整など、いろいろ。チェスや囲碁は昔からやってます)しても、将棋は指せば「引き分け」になる。(将棋宇宙の熱的死!)
楽しくもあり、怖ろしくもある新年の始まりです。
門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし 一休宗純