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今日9日、成人の日、本州付近は暖かい空気に包まれる予報です。
この新年は、穏やかな晴天続きですね。
目黒通りの目黒郵便局の交差点から420号(鮫洲大山道路・補助第26号線)を武蔵小山方面に進んで最初の信号のある交差点、やはり目黒通りから分かれる円融寺通りとの交差点、ここに小さな庚申塔が祀られています。
近くの東急バスのバス停もまさに「清水庚申」。
地域の方々に、大切にされている感じですね。
庚申塔は角柱型で、正面に「南無妙法蓮華経 庚申講中」、左に「向テ右 せたかや ふちう 左 しな川」右に「向テ右 いけかみ まりこ 左 めくろ ゑど みち」とあり、道標を兼ねていたことがわかります。
裏に「嘉永七甲寅年 十月吉日」「碑文谷村池之上 世話人」とあります。嘉永七年(1854)の建立です。もう幕末ですね。
この前のブログで触れた、立会川の水源の一つの清水池にちなんで、この辺りの旧町名は「清水町 しみずちょう」です。
そこにある庚申塔だから「清水庚申」。
実は僕の生まれた生家は、ここから30秒くらいのところだから、清水巡行と呼ぶほどのことはありません。でも、今住んでるのは鷹番だから、まあ良いでしょう。
この庚申塔のある角地は、昔は酒屋さんがあって、僕の祖母がそこのお母さんのお乳が良く出なかったため、乳母みたいなことをしてあげたそうで、いろいろお付き合いがありました。
近くには「庚申湯」という銭湯もあって、僕の家は最初はお風呂場が無かったので、ここに通いました。懐かしいなあ。
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0540 起床 気分並 晴 普通であることが、じつはありがたいこと。遠くて近い、根津神社。 - にこたろう読書室の日乗
寿福寺の「青面金剛」のところで触れたように、この仏様の信仰には、「庚申信仰」が深くかかわっています。ていうか、ほぼ同体?
0530 起床 気分快 晴 寿福寺巡行【見て・歩いて・よろこぶもの】⑦後編 謎を秘めた仏様、青面金剛のお寺に着きます。 - にこたろう読書室の日乗
ならば、庚申信仰とはなにか?
ひとことで言えば「寝ずの番」かな。
こんな感じ。
中国道教の教説である三尸説とその行事の守庚申が日本に伝来して、習合と複合して広まった。庚申(かのえさる、こうしん)とは、干支、すなわち十干・十二支の60通りある組み合わせのうちの一つである。庚申の年・日は金気が天地に充満して、人の心が冷酷になりやすいとされた。この庚申の日に禁忌行事を中心とする信仰があり、日本には古く平安時代に移入された。
庚申の日に行う行事とは、簡単に言えば、人の体の中にいる虫が這い出て天に登り、その宿主の悪事を神様に告げ口されないように、ともかく徹夜をすること。
飲み食いや詩歌管弦のイヴェントで一晩盛り上がりましょう、という貴族の遊びからはじまり、しだいに一般庶民にも広まった、という風習です。
中国の民間信仰や風習から始まって、日本に渡ると天台あたりの密教と結びつき、貴族から武士、江戸庶民まで連綿と進化発展して、江戸時代に爆発的な高まりをみせ、明治維新以降ぱったり終焉した、というのが大方の見方です。
シンボルである庚申塔は、庚申塚とも呼ばれて庚申待の供養のために造立されたものです。庚申講を3年18回続けた場合に建立されることが多かったようですね。庚申の日は60日に1回巡ってくるので、そういうスパンになります。
明治時代になると、政府は庚申信仰を迷信として街道筋に置かれた庚申塔を中心に撤去し、また街道の拡張整備工事によって庚申塔のほとんどが撤去や移転されることになったようですが、まだまだ注意を凝らすと、身近なところで発見できるのです。
じゃあ、庚申信仰の風習は今はまったく途絶えているのか?
なんかよく分からないのです。とりあえず、目撃したことはないし。
東京だけでなく、全国津々浦々に庚申塔とか残されているし。
ひょっとして細々と寝ずの番イヴェントをやってる家とか、あるのかな。
あるなら、ちょっと参加してみたいですね。
ていうか、弊社でやってみればよいのか。
青面金剛の掛け軸提げてね。
こういう準備をして。
まあ、こうなるな。
今年(2023年)の庚申の日は、次の通り。
2023年1月2日(月曜日)(仏滅)
2023年3月3日(金曜日)(先勝)
2023年5月2日(火曜日)(先負)
2023年7月1日(土曜日)(赤口)
2023年8月30日(水曜日)(先負)
2023年10月29日(日曜日)(大安)
2023年12月28日(木曜日)(友引)
次は、3月3日ひな祭りの日とバッティングしてますね。
これは午前0時から明け方までを寝ないで起きていればいいのかな?
これは名古屋にある曹洞宗・庚申山円道寺の主尊である青面金剛の掛け軸です。
中央に青面金剛、三猿(見ざる聞かざる言わざる)、手下の四夜叉が配置されてます。
4人の夜叉の名はそれぞれ毘陀羅(びだら)、阿跋摩羅(あばつまら)、犍陀羅(けんだら)、烏摩勒伽(うまろきゃ)。
庶民のイヴェントではもっとちゃちいものを使います。
うちに一幅あったんだけど、今見つからないなあ。
今度ひとつ、入手しておこうかな。
青面金剛は、どう見てもバラモン(ヒンドゥー)教の神格にしか見えないけど、インド~中国の宗教史的な系譜には跡付けにくいらしく、謎の多い仏様です。
多分、マハーカーラ―だと思うけどね。
あと、猿とか猿田彦との兼ね合いも、日本独自の展開ですし。
猿がちなむのは、「かのえさる」の日だからかな。
都電荒川線の「庚申塚」という駅の近くにある巣鴨の庚申塚は、猿田彦大神を祭神とする庚申塔を奉安するお堂です。
この辺り、また尺が尽きたので、別稿で扱いましょう。