にこたろう読書室の日乗

死なないうちは生きている。手のひらは太陽に!

0340 起床 気分快 晴 「聖地」を定義します。日常のなんでもない空間として意識されていたものが、突如、非日常のものとして塗り替えられる瞬間。

血圧値 115/78/81 酸素飽和度 99% 体温 36.4 ℃ 体重 67.6キロ

 

今日は、大晦日

もう明日は、新しい年が始まります。

 

たしか、僕が小学校に入ったか、まだ入らないか、のころ。

 

晦日の夜中に雪が降り出して、元旦の朝、家の庭が真っ白の雪化粧になっていた、ということがありました。

 

硝子が嵌まった、障子みたいな感じの木製の窓の格子にも、柔らかく輝く雪が載っていて、清々しく感じました。

 

 

ああこれは、新しい年に変わったから、ものみなすべてが新鮮に見えるんだな、と子供心に思ったものです。

こういう気持ちは、残念ながら、歳を重ねるごとにだんだん発動しにくくなって、今の歳になってしまいましたが。

 

何でもない一日が、突然「聖なる」様相を、帯びて輝く。

これは不思議で、荘厳な経験ですね。

 

何でもない「跨線橋」、何でもない「神社の石段」、何でもない「踏切」。

 

それが一夜明けると、そこは「聖地」になっている。

 

 

 

 

0530 起床 気分快 晴 クイズです。この鉄道模型ジオラマのテーマである「物語」は? - にこたろう読書室の日乗 (hatenablog.com)

 

これはどういうことなのか?

そもそも、「聖地」とは何か?

 

聖地巡礼プロデューサー゛として活動する聖地会議(大田区)の柿崎俊道さんは、「東京は電車で行きやすい場所に点在しているので『聖地巡礼』がデートコースになるが、地方はたいていアクセスの悪い場所に大人数がレンタカーで乗り入れて行くので、もはや修行。地方では巡礼することでおのずと作品への『信仰心』が芽生えるが、東京の『巡礼』はそこまではいかない」とその違いについて説明します。

 

というわけで、「聖地」を定義します。

 

「聖地」とは:

 

いままで、日常のなんでもない空間として意識されていたものが、突如、非日常のものとして塗り替えられる瞬間。

 

いままで存在しなかった、ある物語が付与された場所。

そこに「聖なるもの」を見る力。

 

アニメの登場人物がいた場所や景色を見ると、登場人物の気持ちになったり、実在しないアニメの世界観に浸ったりできます。例えば、アニメのワンシーンに登場した場所を実際に歩くことで、作中で表現されていなかった要素に気づくこともあるでしょう。

 

新海マジックは、日本人の心根の奥深い部分に根差す、ある情動を呼び覚ますのかもしれません。

 

もともと社殿を意味する英語のtempleが、語源的には「くぎる」を意味するギリシア語témneinから派生していることも、興味深い示唆を与えてくれます。

 

異世界と接する、区切られた時空。

境の空間。

それを、僕たちは「聖地」と呼びます。