にこたろう読書室の日乗

死なないうちは生きている。手のひらは太陽に!

0330 起床 晴 気分並 「学問」を定義します。

血圧値 128/84/84 酸素飽和度 98% 体温 36.2℃ 体重 66.6キロ

 

世界にはいろいろな「謎」が存在しますが、その一つがこれ。

 

 

地上で見るとなんだかわかりませんが、丘に登ると。

こんな感じ。

 

飛行機から見ると。

「ナスカの地上絵」ですね。

 

僕も昔、見たことがあります。

とても不思議。

 

0500 起床 気分快 薄曇 地上絵を見下ろしながら、神様の視線のことを考える。 - にこたろう読書室の日乗 (hatenablog.com)

 

誰が、いつ、何の目的で、どうやって描いたのか。

 

そもそも「謎」を出題するために、昔の人がこの絵を残したわけではありません。

しかし、興味深い良い「謎(問い)」は、それを苦心して解こうとする人に、良い「答え」を与えてくれるのでしょう。

 

「学問」とは:

 

「問う」ことを「学ぶ」プロセスである。

良い問いは、良い答えをもたらす。

 

 

日本の山形大学の坂井正人教授(文化人類学アンデス考古学)とそのグループが、先進的な研究を続けていて、これは世界的にも第一級の功績を上げています。

04年からナスカの地上絵の研究を進めてきて、12年には現地のナスカ市に「山形大学ナスカ研究所」を設立するなど学術調査を本格化させています。同大の研究グループが18年までに見つけた地上絵190点を含めると、計358点を発見したことになるそうです。

これはとてつもない数ですね。

 

これはその研究所。なかなか立派です。

 

ドローンなどを活用した調査で、人間のほか、ラクダ科動物、鳥、シャチ、ネコ科動物、ヘビなどの動物とみられる地上絵を続々と確認しています。

 

 

アンデス文明と日本は、その歴史的・文化的共通点も多く、その先端研究に日本が中心的役割を担うというのは、意味のあることだと思います。

 

とくに、ドローンとAIを駆使する新しい技術と方法は、さらに新たな「発見」をもたらすでしょう。

そして新たな「解釈」へ。

 

坂井正人教授の、こんなエピソードがとても面白い。

 

山形大学の坂井正人教授(文化人類学アンデス考古学)は現代のナスカでも地上絵が描かれていることを知り、2008年の夏に現地調査を行った。2003年に、この地方に住む2人の女性が30分ほどかけて山の斜面に30m以上の大きさがあるキリスト教聖母像を制作していた。

絵を描く手法はこの地域で行われている畑に種をまく時の方法を応用したものであった。この地域では、種まきをする際、複数人が横1列に並び、同じ歩幅で一緒に前進する。計測用具は使用せず、目と歩幅で距離を測定する。女性たちはこれと似た方法で右と左に分かれ、歩幅をそろえて協働しながら絵を描いたと坂井に説明したという。

坂井は制作者にキツネの写真を渡し、20mほどの地上絵制作を委嘱したが、2人は写真を見ただけで歩幅を割り出し、15分程度で絵を描いてみせた。片足で地面の表面を覆っている黒く酸化した石を蹴飛ばして取り除き、その下の岩石を露出させて大地に白い線を描くという手法を用いていた。この場合、線の幅は20cmほどとなる。ナスカ期の動物の地上絵に関しても、後の調査で線の幅が20cmほどであることがわかった。

坂井教授はこの話を参考に、2009年秋、山形県天童市立天童中部小学校でこの手法を用いて絵の制作を試みた。児童及び保護者により校庭で制作が行われ、大型の地上絵を製作することができた。

 

謎の答えは、意外と目の前にあったかも、ということでしょうか。