にこたろう読書室の日乗

死なないうちは生きている。手のひらは太陽に!

0540 起床 気分快 晴 やたら嫌う人は、実は好きだったりします。カラヤンがなんであったかを考えること。

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読書室は、室温 29℃・湿度 63%。

 

朝起きたら窓を全開、というのをできないんだけど、まずいのかな。

エアコンをつけてしまうので! なぜなら。

きょう1日も酷暑。最高気温は東海や関東で40℃に達する可能性があり、体温を超えるような危険な暑さが続きそう。熱中症警戒アラートが23都県に発表。できる限りの対策を。

とのこと!


さて。昨日触れたカラヤンという指揮者について。

クラシック音楽が好きな人(昔も現在も)にとって、好き嫌いは別にして、このカラヤンという音楽家の存在と業績、対社会をも含めた影響力は無視することができません。やたら嫌う人は、実は好きだったりしますので、これがまた面倒くさい。

それがまた現在、ちょっと過去の人、極端な印象の人、名前だけ聞いたことある人、になりつつはありますね。50年後には忘れられる、という可能性も。

カラヤンは、何をした人か?
思いつくままに箇条書きにしてみよう。

 

クラシック音楽」を、戦後世界の「大衆娯楽」にしたこと。

クラシック音楽」がお金になることを示したこと。抜群のプロデュース能力を発揮し、そして一人勝ちしたこと。

広大なレパートリーを誇り、何でも録音して、「クラシック音楽」の全貌を一人で展示してみせたこと。

抜群の知名度と人気があったが、アンチも多かったこと。それがマイナスにならなかったこと。

必死で努力している姿は絶対に見せないで、それを最後まで貫き通したこと。ええかっこしいの美学を示したこと。

つねに美音で美しい旋律ラインを描き出してみせる演奏で、「上手いけど精神性がない」などと悪口を言われたこと。そしてそれをまったく意に介さなかったこと。

なんでも流れるように(レガーティッシモで!)演奏するので、イージー・リスニングみたいだとか、ムード音楽みたいだとか言われたこと。そしてそれをまったく意に介さなかったこと。

録音技術の進化と可能性に異常なまでの関心を持ち、SP→LP→CD→DVDというメディアの変遷を自分の武器としたこと。晩年は映像記録の制作に没頭したこと。時間が足りないと嘆いたこと。

「疑いもなく20世紀を代表する偉大な指揮者の一人」と言われていたが、どうやら一昔前の「常識」となってしまったらしく、忘れられつつあるらしいこと。

 

カラヤンがなんであったかを考えることは、「クラシック音楽」が、今の僕たちにとってなんであるかを考えることになりそうです。これは社会学上の問題でもあるのです。

宿敵(ていうのかな)フルトヴェングラーが、なんか不滅な感じなのとは、裏腹ですね。

歴史に残る、残らないの境目は、何なんだろう。

資料は、こんな感じ。ちょっと古いものならば、膨大にありますね。
最近はほとんど言及されない、ということかな。残念。

そうそう、『カラヤン 全軌跡を追う』音楽之友社というムックは、絶版ですがカラヤン研究には必携の資料です。レコーディングされている587タイトルのディスコグラフィと、演奏会の全記録。興味のある人は古書で探そう。

 

というわけで、僕はこのカラヤン問題に興味があるのです。
それにはまず、その仕事の全貌を閲覧しなくちゃ。

 

総曲目数540曲。再録音、序曲なども含めると1189曲も録音しているのですが、今のご時世、かなりお手軽に手に入れることは可能。もう、LP1枚2000円の昔とは雲泥の差。

大人買いですらないデフレ状態ですね。まあ、ありがたいし、夢のような時代なのですが、これが若い人にはピンとこないというのが現状ですね。悪いというわけじゃないけど。

これはドイツグラモフォンで録音・正規販売されたCDの年代別BOX。
60年代(82枚),70年代(88枚),80年代(78枚)というふうに年代別に正規販売されたCD の全仕事が収録されてます。ベルリンフィルを手中に収めてからの、彼の王道時代ですね。この箱のどれを気に入るかで、聴く人の趣味が分かります。

これは比較的初期の仕事。EMIに録音されたフィルハーモニア管弦楽団との膨大なレパートリー。
黒いBOXは戦前のSP以来の記録です。

とりあえず、全部合わせてCD500枚くらいになるのかな。重複もありますが。

 

これらに加えて、正規リリースされていない放送録音やライヴ録音、海賊盤、後期の映像資料などなど。

すべてに耳を通すことは大事業!ですね。

これ1枚づつに感想とか論評を加えるだけでも、ゆうに2年分くらいのブログコンテンツになるでしょう。(読む人がいるかどうかは別にして!)

大丈夫ですよ、ここには書かないから。

これをあと10年くらいかけて終活としたいと思っていたんですが、今回の脳出血で突然死にそうになって慌てたわけです。「この子を残して!」という気分。

 

さて、僕はどこまで間に合うかな。時間はどれだけ残されているのか。
カラータイマーは大丈夫か?(今度のシン・ウルトラマンにはタイマーがない!。)

 

さらに広げてブルーノ・ワルターとか、ウィレム・メンゲルベルグの世界もあるし。
時間が無限大に欲しいなあ。