にこたろう読書室の日乗

死なないうちは生きている。手のひらは太陽に!

0540 起床 気分並 曇 江戸川乱歩。タイムマシンができたら、僕は真っ先にこの時代に行きたいなあ。

血圧値 112/74/77  酸素飽和量 97%  体温 36.4℃ 体重67.4キロ

とても普通な1日の始まりです😃

電話がかかってきて、緊急入院、とかないよなあ‼️

お願いしますよ😅

昨日のブログで、顔のでかいおじさんの話を振りましたので、伏線を簡単に回収しておくと。
日本の本格的探偵小説のレジェンド、平井 太郎。もとい江戸川乱歩先生ですね。

怪人二十面相」を生みだした人。想像力のかたまり。

この「怪人」は、シャーロック・ホームズ、アルセーヌ・ルパン、明智小五郎金田一耕助などなど、世界の推理小説の架空キャラクターとしては、断トツの知名度。しかも敵役!

ちなみに、「怪人」というのは「怪獣」の範疇で、とくに等身大であり人間としての属性を保っているもの(人型である・直立歩行する・言語を解するなど)を呼ぶもので、1930年(昭和5年)に紙芝居で発表された『黄金バット』に登場した「ナゾー」という四つ目と鉤爪の宇宙人あたりが発祥みたいです。

1936年(昭和11年)に江戸川乱歩が少年向けに発表した探偵小説『怪人二十面相』では、悪役が怪人を名乗っています。
この名称は元々「怪盗」とするところを、当時の児童向け作品の倫理規定で「盗」の字を使えず「怪人」とされたそうで、なんか大人の事情ですね。
二十面相は変装が得意で、他人に成りすますという技術を駆使して美術品を奪ったり愉快犯的犯罪を行います。殺人は極度に嫌い。ルパンの影響が濃いですね。

江戸川乱歩先生の全貌も、そう簡単には要約できないのですが、まあ、こんな感じ。

1894年三重県生まれ。早稲田大学卒業。雑誌編集、新聞記者などを経て、1923年「二銭銅貨」でデビュー。以後、「D坂の殺人事件」などの探偵小説を 次々発表。怪奇小説幻想小説にも優れた作品が多い。代表的なシリーズに、「怪人二十面相」「少年探偵団」などがある。日本の小説界に多大なる業績を残 す。65年没。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E5%B7%9D%E4%B9%B1%E6%AD%A9

最初に入院した病院は千駄木にありますが、この近くに団子坂という坂があります。

『D坂の殺人事件』、1925年(大正14年)に発表された短編小説で名探偵・明智小五郎が初めて登場した作品です。

D坂にある喫茶店で出会った主人公の”私”と素人探偵・明智小五郎が密室殺人事件を追及していく本格探偵小説として注目を集めました。「D坂」は、乱歩が運営していた団子坂の古書店をモチーフに、店構えや近所の様子が描かれています。

「D坂」なんていう伏せ方が、なかなかハイカラですね。

この近くの「コーヒー乱歩°」という、一風変わったカフェに行ったことがありますよ。
今でもあるのかな。

乱歩という世界は、僕にとっても興味深い、魅力的なテーマです。

読書室の片隅は、こんな感じ。

参考資料は、こんな感じ。

この65冊に及ぶ、文庫全集は、突っ込みどころ満載の偉業です。

こんな感じ。

講談社が昭和62年から平成元年にかけて全65冊で刊行したこのシリーズは、刊行されて数年で絶版となったため、古本屋で探すしかありません。
特色としては、完全な全集を目指していたことがあります。したがって、単行本未収録のエッセイ・評論なども収録されており、いまだに他の版では読めない文章がたくさんあります。もちろん、このシリーズの刊行後に発見された文章もありますし、児童向け作品は光文社版全集ほど完璧は目指していませんので、なにもかも収録されているというわけではありません。
乱歩が作家デビューする前、古本屋を経営していたときに「奇譚」という手作りの評論書を作って棚へ出したことあり、結局それは売れることなく乱歩の手元でずっと保管されていたのですが、そんなものまで全ページ写真複製で収録しています。
全体は大きく3つのパートに分かれ、青帯=一般向け小説、赤帯=児童向け小説、緑帯=評論・エッセイとなっています。古本屋でも時々見かけますが、やはり他では読めない緑帯はかなりの値がついています。

こんなの誰が全部買うんだ!?
ということであっという間に世間から消えました。
まあ、ここにあるけど。

大正浪漫から戦争間際までの、日本の社会史の生きた資料、という側面も持つ膨大な作品群。

戦中と戦後の展開も面白いですが、なんといっても乱歩的世界は、戦前から開戦に雪崩れていく不安と狂騒の時代の爛熟、隠微な、グロテスクで哀しく、またひたむきな想念が魅力です。時代の妙にリアルな感触。

タイムマシンができたら、僕は真っ先にこの時代に行きたいなあ。
でも、長居は危険です! 地震と戦争。なんか今に通じるものがあるなあ。

現在、乱歩はどのようなポジションにあるのか。
読み返す人、初めて読む人。

この人のぶっ飛んだ演技で、新しい面が見直されたかもしれません。
僕は、病室のTVで観ましたよ。